国内初公開! 世界で1機の激レア飛行機へついに潜入!! 魔改造DC-10をさらに魔改造し「空飛ぶ眼科病院」に

さすが激レア機、機内も凄かったです!!
関西空港に2023年4月18日から、世界に1機しかない激レア飛行機がやってきています。ニューヨークを拠点とする眼科医療の国際NGO団体、オービス・インターナショナル Orbis International)が運用するMD-10「フライング・アイ・ホスピタル(空飛ぶ眼科病院)」です。この機内の様子が21日、報道陣にむけ公開されています。同機が公開されるのは日本では初めてのことだそうです。
国内初公開! 世界で1機の激レア飛行機へついに潜入!! 魔改…の画像はこちら >>報道陣に公開された「フライング・アイ・ホスピタル」(2023年4月21日、乗りものニュース編集部撮影)。
「フライング・アイ・ホスピタル(空飛ぶ眼科病院)」は手術室、研修室、手術前後のためのケアルーム、VRを始めとした最新のシミュレーショントレーニング技術を搭載しており、教育病院として医師の研修を行うことができる機能を持つとのこと。
この機の機番は「N330AU」で、1973年に運航開始。機体はアメリカの貨物専用航空会社フェデックスから寄贈されたものです。なおこの機は3機目の「フライング・アイ・ホスピタル」で、初代はマクダネル・ダグラス社(現ボーイング社)の4発ジェット機「DC-8」が、2代目は同3発ジェット機「DC-10」が用いられています。
現在の「フライング・アイ・ホスピタル」のベース機には、マクダネル・ダグラス社の3発ジェット機「MD-10」。MD-10は、2代目の「フライング・アイ・ホスピタル」担当機となったDC-10をベースとしたモデルです。

マクダネル・ダグラス社ではDC-10を完成後、操縦システムのグラスコクピット化や翼型の変更などを施した派生型MD-11を生み出しましたが、この「フライング・アイ・ホスピタル」のベース機であるMD-10は、MD-11とは少し仕様が異なる機体です。
MD-10は、DC-10の胴体をそのまま活用し、MD-11のコクピットシステムをレトロフィット。2人乗務を可能としたモデルです。そのためMD-11で搭載されている主翼両先端に立ち上がった「ウイングレット」もないなど、外観上もDC-10の仕様をそのまま受け継いでいます。
しかし、MD-10を唯一運用していたフェデックスでは2022年末を持って同型機を全機退役。ただでさえ現在MD-10の姿を見ることが難しくなっているなか、その役割からさらにレア度の高い飛行機となっています。
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報道陣に公開された「フライング・アイ・ホスピタル」(2023年4月21日、乗りものニュース編集部撮影)。
機内は9つの区画で構成され、最前方に旅客機の客席型で最前方に大型モニターを備えた機内学習スペース「クラスルーム」があり、「最も揺れづらく安定している」(オービスの担当者)という中央部に手術室を設置。最後部にはベッドを2床備えた休憩室を備えています。特に手術室は天井部分・床を強化するなどの改修が施されているほか、カメラを複数台設置し「クラスルーム」で手術の様子を見て、研修を行うことができます。
なお、担当者によると「フライング・アイ・ホスピタル」は25日まで、パートナー企業むけの公開を終えた後、ベトナムへと向かう予定とのことです。