岸田文雄首相、漁港のおじさんに直接感謝伝え頭下げた「勇気と行動力に心から感謝」

岸田文雄首相(65)は22日、街頭演説会場で爆発物が投げ込まれる事件があった和歌山市を訪れ、容疑者を取り押さえた漁師・寺井政見(まさみ)さん(67)らと面会して感謝を直接伝えた。その後、市内で衆院和歌山1区補欠選挙の応援演説を実施。会場には金属探知機が設置されるなど、周辺は厳重な警戒態勢が取られた。
事件が起きた漁港で勇敢な行動を取った寺井さんに、首相が直接謝意を述べた。
この日、岸田氏は大分で参院補選候補の応援後に和歌山入りし、市内のホテルで寺井さんと面会。「一歩間違えれば、多くの方が身の危険にさらされる状況だった。皆さんの勇気と行動力に心から感謝申し上げる」と頭を下げた。事件が起きた雑賀崎(さいかざき)漁港は、新鮮な魚を食べられる観光名所として知られる。岸田氏は「事件によって雑賀崎のイメージを損なうことになってはならない」と強調。特産のエビやタイなどをアピールし、再び漁港を訪れたいと語った。
雑賀崎訪れたい 面会後は、ホテル前で自民公認候補者の応援に立った。岸田氏は「1週間前、爆発事件が発生しました。身を挺(てい)して犯人確保にご協力いただいた漁協の皆さんに先ほどお会いさせていただいた。多くの皆さんの勇気、行動力があったからこそ、私はきょう、この場に立っていることができる。心からお礼を申し上げた」と報告した。
街宣車は背後からの襲撃を防ぐためにホテルの壁を背にして止められ、聴衆とは約15メートルの距離が取られた。会場には鉄柵と金属探知ゲートが設置され、希望者は手荷物検査を受けて入場。警察犬が巡回する姿も見られた。会場と和歌山城との間の「けやき大通り」も通行止めの措置が取られた。少なくとも200人とみられる警察官が警戒にあたったが、和歌山県警から自主的な警備強化を要請された選挙スタッフは、警備会社にも依頼したという。
大きな混乱はなかったが、厳戒態勢の中でも、和歌山での街宣では異例の規模の約2500人(選挙スタッフ発表)が集結。岸田氏は「感謝の思いを胸に、最後まで選挙を戦い抜かねばならない」「この激動の時代にあって、勇気をもって行動しようという方はぜひ、力を与えてください」と訴えていた。