開幕の雪辱をすぐに果たした。4月21日から3日間、本拠地ZOZOマリンスタジアムに強敵ホークスを迎えて行われた3連戦で3連勝。敵地福岡での開幕3連戦で3連敗を喫した悔しさを晴らしチームは21年10月24日以来の単独首位に立った。
試合後、546日ぶりの単独首位にも吉井理人監督は「今の時期の順位は関係ない。シーズンは相手があること。勝ったり、負けたり。それが続く」とメディアの前で冷静に話をした。
吉井監督は優勝を目指すチームづくりの骨格として「主体性」を掲げる。選手たちが自分で自分をしっかりと自己分析を行い、自分の長所はなにか、なにが今、足りないのかを考え、自分たちで動くチーム。札幌から千葉に戻っての移動試合となった21日。そしてナイター明けデーゲームとなった22日と6連戦6戦目の日曜日となった翌23日。いずれも試合前練習を自主練習スタイルに変更した。それでも積極的に自ら考えてさまざまな練習に取り組む選手たちの姿があった。指揮官は「休んでもらおうと思ったのだけどなあ。みんな、身体が動かすのが好きやなあ」と目を細めた。
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4月20日、エスコンフィールドで行われたファイターズ戦は吉井監督の58歳の誕生日だった。試合前の円陣に選手たちのリクエストで呼び込まれると「今日は一年で一番大事な試合だから、頼むで」と冗談を交えた檄(げき)を飛ばし、選手たちを笑わせた。試合は残念ながら0対2で敗れると指揮官は「選手たちはワシの言葉を真に受けて硬くなってしまったかなあ。来年は言わない。来年はこの日だけは何やってもOKな日と言う」と本気で猛反省した。それほど選手たちに語りかける言葉を大事にしている。
監督室はいつもドアを開けたままにしてあり、選手たちが顔を出しやすいように配慮している。自ら選手ロッカーに足を運んで会話を図ることもある。対等に話し合える関係性を大事にしながらチームの雰囲気づくりを行っている。
勝っても負けてもなかなか寝付けない日々が続いている。「負けたら悔しくて寝れない。勝ったら興奮して寝れない」と吉井監督は笑う。マリーンズは19試合目で単独首位に立った。ただ、目標はあくまで最後の最後にトップにいること。選手たちの主体性を第一に、戦い続けていく。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)