積立投資を始める方必見!S&P500と全世界株(オールカントリー)どちらがおすすめ?

長期的な投資で将来の資産形成を考える人が、近年増えてきました。そのような人の中には、資産形成では積立投資がおすすめという言葉を何度か耳にしたことがある人も多いはずです。その理由は、積立投資が少額から始められることや長期で複利効果を実感できる点にあります。また、本格的に始める前にはしっかりと投資先を見極めることも重要です。今回の記事では積立投資を始める方必見の、S&P500と全世界株(オールカントリー)どちらがおすすめかを紹介します。
積立投資は最強の投資手法

まず投資初心者の方に認識して欲しいことは、積立投資は最強の投資手法だということです。特に、将来の資産形成を目的とした投資とは相性がとても良い投資手法です。

その理由として挙げられるのが、「少ない手間で運用が可能」「複利効果」「時間分散」の3つです。それぞれ次の説明を参考にしてください。
(1)「少ない手間で運用が可能」
積立投資に適した投資先は、頻繁に値動きをチェックして売買を行う先というより、定期的に買い増していくことができる先が一般的です。そのため、投資する商品を選定した後は設定した口座から毎月自動的に積立ていくことを継続していくことになります。このように、購入時を除くと管理する手間を少なくして運用することができるのです。
(2)「複利効果」
積立投資の最大のメリットは、運用益が更に運用され利益が増大していく複利効果を期待できる点にあります。運用期間が長いほど、複利効果が大きくなるため長期投資を前提としている積立投資は複利効果を実感しやすいのです。

(3)「時間分散」
積立投資では定期的に時間をずらして購入するため、一括で同じ銘柄を購入するよりもリスク分散を行うことができます。

短期的に利益を考える場合、積立投資はおすすめできませんが、低リスクで確実に資産形成を行うにはこれらの理由から最強の投資手法といるでしょう。

特に複利効果を狙いながら、自動的に時間分散でリスク低減ができるのは積立投資ならではですので参考にしてください。
運用先と注目される2つの指数

積立投資を行う場合、基本的にインデックスファンドと呼ばれる様々な銘柄が組み込まれている投資信託で運用することが一般的です。

投資信託は、多くの投資家から集めたお金を大きな資金としてまとめて運用し、そこで得た利益を投資額に応じて投資家に分配する金融商品です。

ここでは、初心者にも始めやすく注目されている投資信託の運用先を、2つの注目されている指数から紹介していくので参考ください。
S&P500とは

まず最初に紹介するのが、アメリカの株式市場における主要な株式指数の一つであるS&P500についてです。

S&P500とはアメリカの株式市場の指数やレポートを作成している「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス」が算出している指標で、米国株式市場で有名なダウ平均株価やナスダック総合指数に並ぶ代表的指標の一つになっています。

S&P500の構成銘柄は、米国の主要業種かつ主要企業の指数をカバーすることを目的として選出されており、その数はNY証券取引所とナスダックに上場している企業のうちの500銘柄です。

この中には、Google、Amazon、Meta、Apple、Microsofto、いわゆるGAFAMと呼ばれる影響力の大きい銘柄も組み込まれています。

S&P500は日本の株式市場でいうと日経平均株価(日経255)のような存在で、アメリカ市場全体の動きを把握するのに適した指標です。

アメリカは世界経済に対して大きな影響を及ぼすため、アメリカ市場全体の動きを表すS&P500は世界的に注目されています。

また、S&P500の株価指数に連動した、投資信託やETFなどの金融商品も存在しているため、投資先を選ぶ際の参考にしてください。
全世界株(オールカントリー)とは

次に紹介するのが、全世界の株式市場における株価指数となる全世界株についてです。
全世界株式とは世界的な株価指数算出会社が公表しているもので、その代表的なものが「MSCIオール・カントリー・インデックス」です。
世界全体の株価動向を知るための指数として用いられます。

全世界株に含まれる構成銘柄は、先進国23ヶ国・新興国24ヶ国の計47ヶ国です。全世界株式という名前ですが、世界全ての国の銘柄が組み込まれているわけではありません。

なぜかというと、銘柄の構成は企業の時価総額順(株価×発行株式数)に選んでいるからです。その証拠に、時価総額が高い企業が多いアメリカの企業は全世界株の中の約60%(2023年4月現在)を締めています。

これは先進国の安定的で低リスクな企業と、新興国の中でもリスクを抑えつつ、急成長している企業の銘柄が入っていることを意味しているのです。

S&P500同様に全世界株(オールカントリー)の株価動向をベンチマークし、その株価指数に連動した投資信託やETFなど金融商品も数多くあるので、投資先を選ぶ際の参考にしてください。
どちらがおすすめ?

上記で海外の銘柄に投資を行う際に参考になる、人気の2つの指標を紹介してきました。

説明から分かるように、両者とも市場全体の動きを表す株価指数であり、長期的に時間と投資先を分散しながら行う積立投資の商品と相性の良いものです。

積立投資を行う上で、S&P500も全世界株のどちらもおすすめできる投資手法であることは間違いありません。しかしどちらか一方を選択する場合は、S&P500の方がおすすめといるでしょう。

その理由をリスクとリターンの観点から、以下で紹介しますので参考にしてください。

【全世界株よりS&P500が良い理由】

〇リスク低減
コロナショックの影響を大きく受けた2020年1月~3月の下落幅を見ると、S&P500の方がやや小さくなっています。どちらも大型の米国株をメインとして構成されていますが、全世界株では比較的リスクの高い新興国企業の株価も組み込まれているため、安定感といった観点ではS&P500の方が安心といます。

〇リターンが大きい
リスクの次はリターンの比較です。過去10年間のデータによると全世界株よりもS&P500の方がリターンが大きくなっています。リターンもリスク同様に、S&P500では世界的にも力のある企業の株で構成されているため安定的なリターンが見込める結果となっているといます。

このように、リスクとリターンの観点からいくとS&P500の方がおすすめといますが、上述した通り、全世界株も積立投資に適した指標となっているので自身の投資目的に合わせて選択するようにしてください。
まとめ

将来の資産形成を行うにあたっては、積立投資が最強の投資手法といます。そして、積立投資を行う際には、投資する運用先の金融商品がどの指標を基に運用を行っているかを知ることがとても重要です。積立投資商品の指標として、おすすめのS&P500と全世界株(オールカントリー)を今回は紹介しました。海外の投資に興味がある人は是非参考にしてください。また、自分一人で投資先を選択する自信が無い人はお金と資産形成のアドバイザーであるFPに相談することをおすすめします。

○この記事を執筆したカウンセラー紹介
小峰一真(こみねかずま)
所属:株式会社マネープランナーズ

2級FP技能士/証券外務員2種/住宅ローンアドバイザー| 明治大学政治経済学部卒業

大手国内証券会社、外資系保険会社を経て、前職では独立系FP事務所に創業から携わっていました。資金計画作成、住宅購入相談、資産運用、保険相談など全般的に得意で、セミナー講師も担当しています。趣味はゴルフと読書、スポーツ観戦(横浜Fマリノス、明治大学ラグビー部を応援!)です。

MILIZE みらいず AIとITと金融工学の力を駆使し、お金の計画・管理・運用まで完結できる次世代の金融ウェブサービスを手掛けている。個人の方向けには、専属FPにオンライン相談・メール相談ができるサービス『TAMARU』や、お金の情報について動画で分かりやすく解説する『MILIZEチャンネル(YouTube)』など、”金融商品を売らない”完全中立的な金融サービスを提供している。 この監修者の記事一覧はこちら