“一度も掃除の記録なし” 名古屋城お堀の水はキレイになるのか? 洗車機メーカーが“汚れ取る”砂をまいてみた 結果は?事業費3000万円は会社負担 【チャント!大石邦彦が聞く】

ある時はユリカモメの大群…そしてまたある時は、(CBC 小川健太記者)「あれは あれは あれは!!アリゲーターガーいました。すごい!大きい!!」南米原産、体長1メートルを超える巨大な肉食魚アリゲーターガー。
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さらには、こちらも南米原産で水辺に暮らすネズミの仲間、ヌートリア。この多彩な生き物たちが集まっていたのは…名古屋のシンボル、名古屋城の足下、「お堀」です。
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実は、築城からこれまで一度も掃除された記録はなく、水は常に濁っていました。こうした中、あるプロジェクトが。
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(大石邦彦アンカーマン)「名古屋城のお堀をキレイにしようという大作戦、いよいよ、砂を市長とともにまきます」ことし2月。ある企業が始めた、お堀の浄化作戦。汚れを吸着する砂状の活性炭を水中にまき、水質の改善を目指す計画です。
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河村たかし市長も応援に訪れ、お堀の浄化は名古屋城の木造復元とセットだと持ち上げました。
(名古屋・河村たかし市長)「魅力が高まるというか、国宝1号だでねこのお城は。圧倒的で世界で初めてですから。これは木造復元とセットだわ」
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鍵を握る水質浄化剤は、少し黒っぽい、サラサラの…まさに砂のような物質です。開発したのは尾張旭市の環境浄化剤メーカー。これまで、名古屋市の藤前干潟や堀川の浄化にも使われた実績もあります。
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(水質浄化剤を開発 江崎竜一社長)「水質浄化剤が底に沈んで、薄くシールド状に膜をはるようにすることで、水底のヘドロから水中の汚濁要因を抑制します」

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この浄化剤84トンをいかだの上から撒いていきます。(大石アンンカーマン)「船が動き始めましたよ。おっと!そして、装置が稼働し始めました。この箱の下には、およそ10本ほどのパイプがありまして、そのパイプから均一に、砂がいま、お堀に入っています」
細かい粒子が目に入らないよう、防塵グラスをつけての作業。岸から作業の様子をみてみると、いかだが通った後に、浄化剤の黒い線ができているのが分かります。船の上からみえる水面は濁ったみどり色。当然底は見えません。
(水質浄化剤を開発 江崎竜一社長)「(お堀は)閉鎖水域ですので。とくにカワウが住み着いちゃって、去年見た時よりも急激に水質が悪くなっている」
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最近では、堀川で大発生したボラを目当てに、カワウが名古屋城に生息するようになり、大量の糞を堀に落としていたのです。石垣は糞で真っ白になっていました。
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今回、お堀の浄化作戦を実施したのが、地元名古屋市港区の洗車機メーカー「タケウチテクノ」。今回の事業費3000万円を全額負担しています。今から60年前の1963年、日本で初めて自動洗車機を開発した、この分野のパイオニア企業です。
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(タケウチテクノ 竹内英二社長)「洗車ですから、汚れた車から水を出すことで、汚れた水が出るので、以前から心を痛めていて、環境によくないと気にしていて、なんとかこれをお返ししたいと思っていた」
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何かの形で、水の浄化に関わりたいという思いから思い立ったのが、創業の地、名古屋のシンボル、名古屋城のお堀浄化だったのです。

(大石アンカ-マン)「社員から、3000万円の投資について意見は出た?」(タケウチテクノ 竹内英二社長)「気持ちはわかってくれていると思う。地域の皆さまがあって、108年名古屋でやってこられたと思うので、ささやかなお返しです」
堀に浄化剤を撒いて2か月。果たして。水はキレイになったのか…
現状を見に行くと…。(大石アンカーマン)「お堀なんですが、2か月前と比べて、劇的にキレイになったかというと、そこまで正直分かりませんが、ただお堀の底は見えるところもありますね」
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名古屋市が石垣の調査で堀の水量を減らしたため、2か月前と同じ状態ではありませんが、場所によっては水底が見えています。水中映像、過去とおとといで見比べてみると…濁りが薄まり、少し透明度が高まったようにも見えます。
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(水質浄化剤を開発 江崎竜一社長)「実際に透明度は上がってきている感じはする。これから気温がどんどん上がっていくと、普通は汚濁の方向に行っちゃいますので、(浄化剤の効果で)水温が下がったところで、落ちついてくるんじゃないかと思う」
浄化剤は、少しずつ汚れを吸着・分解するため、秋頃には更に透明度が高くなっているのではと話します。(大石アンカーマン)「データがどうなっているのか、秋口に見た目がどうなっているのか期待ですね」
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(タケウチテクノ 竹内英二社長)「データも重要ですが、我々も、名古屋市民の皆さまも、見た目が重要だと思いますので、見た目でパッとわかる…そのようになればと期待しています。いま、(変化の)途中ですので、途中を見てもらうのもいいと思う」

ゴールデンウィーク。名古屋城を訪れた際は、浄化が進むお堀の水にも注目してみてはいかがでしょうか。
(大石アンカーマン)「名古屋市は、実は3か月に1回水質調査を行っていて、どんな調査しているのかというと、透明度だったりとか、水の中に酸素や燐窒素などが入っていくのかどうか、あわせて15項目ぐらいをチェックしているんですよね。
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これ、いつから始めたかというと、1994年頃に『あまりにも堀の水が汚いんじゃないか』ということで、1996年度あたりから水質調査を始めました。今、どういう状況かというと、コイやフナが生育できるような水質ですが、決して良いとはいえないということなんですね。これが20年から30年ずっと続いてるってことなんですね。名古屋城のお堀というのは、歴史上掃除をしたことがないので、誰も底を見たことがない、河村市長は、『もしかしたら徳川の埋蔵金が眠ってるんではないか』と、市長は言ってました。
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お堀がきれいになれば、名古屋のシンボルの名古屋城が、“映えて”見えることになります。今後、一体どうなっていくのか、まだ早いと言われましたので、もうちょっと先、追跡調査していきます」。