生後すぐ空港トイレに置き去りにされた男性 33年後に実の両親を発見するも…

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日本でも近年、新生児遺棄事件が多発している。何らかの事情で育てることができない親が、赤ちゃんの命を託す「赤ちゃんポスト」は全国で熊本県と北海道の2ヶ所のみで、コインロッカーや公園などで遺体となって発見されるケースが後を絶たない。
そんななかで今、ある男性の告白に関心が集まっていることを、イギリスの『Daily Mail』や『Yahoo!』が報じた。
話題になっている男性は、イギリスに暮らすスティーブン・ハイズさん(37)。1986年の4月、ロンドン・ガトウィック空港のトイレに置き去りにされているのを、免税店の店員に発見された。
新生児用の服を着て、ブランケットに包まれていたスティーブンさんは、その時まだ生後10日ほど。発見者のベリル・ライトさんは、母親はトイレにいるものと思い、安全のため赤ちゃんに付き添って待ってみた。
だが誰も現れないため通報し、赤ちゃんはそのまま社会福祉施設に引き取られたのだった。
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その後、スティーブンさんはガトウィック空港のクマのマスコットにちなんで、「ギャリー・ガトウィック」と呼ばれるように。メディアにも報じられ、「両親を探しています」と呼び掛けたが、連絡が来ることはなかった。
そして3姉妹がいる家庭に引き取られた彼は、愛情あふれる新しい両親のもとで幸せいっぱいに育った。やがてサミーさんというパートナーにも恵まれ、2人の子供をもうけたという。

自身の幸せを見つけたスティーブンさんだが、何十年たとうとも、実の両親のことが気がかりだった。そこで、遺伝子に基づいた家系図を作成するシシ・ムーア博士の力を借り、実の両親を探すことを決意した。
サミーさんも養父母も応援してくれたなか、ついに2019年5月、両親の所在が判明。しかし母親はすでに他界しており、父親からは「自分の子供が産まれていたなんて、全く知らされていなかった」と告げられてしまった。
自分が置き去りにされた理由を確かめることはできなかったが、スティーブンさんは「実の両親を捜したことに後悔はない」とキッパリ。どんな結果でも解決すればスッキリするとして、同じ悩みを持つ人は、長期戦を覚悟のうえ悩まず行動を起こしてほしいという。
またスティーブンさんは、応援してくれたすべての人たちに感謝の気持ちを伝え、行政に対しては「どうしても子育てができない事情を持つ人たちのため、しっかりとした対策を。それが赤ちゃんの命を救うのですから」と呼びかけている。