製品評価技術基盤機構(NITE(ナイト))は4月27日、大型連休を前に「こどもの自転車の事故」に関する注意点と事故を防ぐポイントについて発表した。
2018年から2022年までの5年間に同機構に通知された製品事故情報では、0歳から14歳までのこどもが被害に遭った自転車の事故の件数は40件だった。被害状況別に分類したグラフを見ると、重傷事故が多く、全体の7割(28件)を占めている。
こどもがけがを負った事故38件について、けがの種類別にまとめると、全体では手・腕の骨折が最も多く、倒れる際に手をつこうとするなどして骨折している。また、0歳から4歳までのこどもでは指の切断・挫創が多い。
事故状況をみると年代別に特徴があり、0歳から4歳までのこどもでは自転車を停車中に発生している事故が多い。特に幼児用自転車の車輪の回転に興味を持ったこどもが指を挟み込む事故などが目立つ。5歳から14歳までのこどもでは自転車を走行中に発生している事故が多く、自身の足が車輪や泥よけに接触することで前輪がロックして転倒する事故などが発生している。
こどもが指を挟み込む事故などが多いことから、同機構では幼児用自転車を購入する際には、衣服や手足の巻き込みを防止するための保護装置「チェーンケースが付いた、より安全な製品」の検討をすすめている。
「0歳から4歳までのこどもの事故」を防ぐためのポイントとしては、まず「不用意に自転車にはこどもを近づけないよう、保護者はこどもから目を離さない」ことを挙げている。指を挟み込む事故は、こどもが自転車を使用中に、ほかのこども(特に1歳から2歳)が自転車に近づいて、回転部分に手を触れることで多く発生している。車輪、チェーン、ギヤには手や足を絶対に触れないように、保護者がしっかりと見守ることが何より大事とのこと。
こどもを乗せた自転車が倒れると、こどもが地面にぶつかり、けがを負うおそれがあるため、こどもを乗せたら絶対に自転車から離れないことも大事。バランスを崩しやすいため、傾斜地などにも絶対に駐輪しないように注意を呼び掛けている。
「5歳から14歳までのこどもの事故」を防ぐためのポイントとしては、足が車輪や泥よけに接触すると、車輪に巻き込まれて、急にロックして転倒するおそれがあるため、「泥よけや車輪などの回転部に足や物を近づけない」ことが重要となる。
また、ハンドルにものをぶら下げて走行しないようにすることも心掛けること。ハンドルに傘、かばん、袋などの荷物をぶら下げていると、車輪に巻き込まれてロックし、バランスを崩して転倒するため大変危険。荷物はハンドルにぶら下げたりせず、かごに入れることをすすめている。