国指定天然記念物のケナガネズミの交通事故が2022年に沖縄県内で37件(速報値)発生し、過去最多となったことが29日、分かった。事故に遭った個体は全て死んだ。現場は国頭村の与那と安田を結ぶ県道2号が最も多い。環境省やんばる野生生物保護センターは「生息地の中を運転している意識を持ち、ゆっくりと車を走らせてほしい」と呼びかけている。(北部報道部・玉城日向子)
関連記事「めちゃくちゃ興奮した」 まさかの“金粉クワガタ”を発見 これほどの個体は初めてと驚く・・・ 沖縄県立辺土名高校サイエンス部の金城勇斗さん(17)=3年=と仲井間憲汰さん(15)=1年=らは14日夜、沖縄本・・・www.okinawatimes.co.jp 同センターが統計を開始した10年以降、これまで最多は11年の25件だったが、12件上回り、更新した。
沖縄北部だけにすむ絶滅危惧種 ケナガネズミは、全長約60センチで国内最大の野ネズミ。絶滅危惧種にも指定されている。県内ではやんばるの森だけに生息する。夜行性で、主に樹上で生活し、木の実や昆虫などを食べる。
事故はそのほか、国頭村と東村を結ぶ県道70号や国道58号で発生した。カーブを曲がり切った場所や、県道2号と70号が交差する地点で特に頻発している。
ドングリの豊作が要因か ケナガネズミの繁殖から子育ての時期と重なる10月~3月が多く、時間帯では夜間の割合が高い。
件数が増えた要因の詳しい分析はしていないが、同センターの担当者は「ドングリが豊作で繁殖率が高くなり、個体数が増えたからではないか」と推測している。
傷付いている希少動物を見かけた場合の連絡先は同センター、電話0980(50)1025、またはNPO法人どうぶつたちの病院沖縄、電話090(6857)8917。