尖閣諸島の魚釣島「昨年より緑が少なく」 沖縄・石垣市長が感じた変化

【石垣】中山義隆石垣市長は31日、市役所で記者会見し、尖閣諸島周辺海域で29、30両日に行った実態調査について説明した。魚群探知機による生物量の調査や塩分濃度などの観測のほか、初めてドローンで空撮。魚釣島の東側斜面の崩落も確認した。野生化したヤギの食害が指摘される同島について「昨年よりも緑が少なくなっているように感じた」と述べ、保全の必要性を指摘した。
関連記事「議員全員で行くべきだ」「新たな火種ならないか」 石垣市の尖閣調査、市議も同行へ | ・・・ 【石垣】石垣市議会(我喜屋隆次議長)は17日の臨時会で、市当局が尖閣諸島周辺海域で予定する実態調査に向けて手配し・・・www.okinawatimes.co.jp 昨年に引き続き2回目の調査。前回同様、東海大学に委託した。
実際にヤギは「見ていない」としつつ、「前回より岩肌が出ていた」と具体的な変化を指摘した。同大の山田吉彦教授は「緑が減った影響で、水をためる能力を失っている」と分析。大量の漂着ごみも確認し「海洋環境が危機的な状況になりつつある」と早急な対策を求めた。
一方、中国海警局の船4隻が調査船の動きに合わせるように領海侵入したことに関し、中山市長は「海上保安庁がしっかりガードしてくれた」と感謝。今後も調査を継続するとし「保全や漁業などの利活用につなげたい」と話した。
(八重山支局・粟国祥輔)