おい扉ないぞ 異形の激レア機「ベルーガ」乗降口はまさかの位置に? 神戸空港に飛来で話題

神戸空港に飛来したことで大きな話題となった、胴体上部が大きく膨らんだ形状が特徴の激レア飛行機「ベルーガ」。この機の乗員が乗り降りするドアは、どこにあるのでしょうか。
2023年5月10日、神戸空港に飛来したことで大きな話題となったエアバスの貨物機「ベルーガST」。胴体上部が大きく膨らんだ形状が特徴で、日本ではめったに見ることができない、激レア飛行機のひとつです。そして、この機には、通常の旅客機改造型の貨物機には標準装備されている「乗務員の乗降ドア」が、展望デッキなどから見える位置にないという特徴も存在します。
おい扉ないぞ 異形の激レア機「ベルーガ」乗降口はまさかの位置…の画像はこちら >>神戸空港に飛来した「ベルーガST」左舷(2023年5月10日、乗りものニュース編集部撮影)。
「ベルーガST」は旅客機「A300-600」をベースとし、おもにエアバス製航空機のパーツを輸送する目的で作られました。特徴的なルックスは、翼などの長尺の荷物を運ぶため。最大で幅7.1m、高さ6.7mの大型貨物を積載できます。とはいえその特殊な用途ゆえに、ベース機であるA300の貨物型とはまったく異なる特別仕様の機体となっています。
「ベルーガST」のコクピットは通常のA300より低い位置に設置されているほか、垂直尾翼、水平尾翼の設計も、通常機とは異なるものに換装。ほとんどA300の面影はなくなっているといえるでしょう。
そのような「ベルーガST」、通常の旅客機ベースの貨物機であれば乗員が乗降する胴体左舷には、人が乗降できそうなドアはありません。一方右舷には小さなドアがあるものの、駐機中の同型機でここが空いているシーンを見ることは、まずありません。よって、ここも乗降ドアとして使用されていないことになります。

この機の乗員用乗降口は、実は胴体の下部、前脚の少し後ろあたりに存在します。ここにはハッチがあり、そこからハシゴが出てきて、パイロットなどはここから乗り込みコクピットに向かうのだそうです。
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神戸空港に飛来した「ベルーガST」の右舷。駐機中だが、側面の赤い箇所は空いていない(2023年5月10日、乗りものニュース編集部撮影)。
そのような「ベルーガST」ですが、現在は、エアバス製航空機のパーツを輸送する業務を後継機である「ベルーガXL」にゆずり、新たなサービスを任されています。同機を利用して、一般顧客へむけ大型貨物の空輸サービスを行う事業で、今回の神戸空港への飛来もこの一環です。
なお、後継機である「ベルーガXL」はベース機が異なり、旅客機「エアバスA330」に改修を加えたものとなっています。ただし、この「胴体下部に乗員用乗降口を設置する」という仕様は、「ベルーガXL」にも引き継がれています。