わらび餅に付いていた「あるもの」が消えるも… その理由が胸熱だった

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水色のトレーに入ったパック入りのわらび餅。100円前後とリーズナブルで美味しいので、全国にファンが多い。
いま、ネット上ではこのわらび餅から「消えたもの」が話題を呼んでいて…。
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事の発端は、4月中旬のあるツイッターユーザーの投稿。内容としては、全国のスーパーで売られている、水色のトレーに入ったわらび餅に付いていた楊枝がなくなったというものだ。

同商品は大阪府八尾市にある明日香食品から販売されている。透き通った涼しげな見た目ともちもちした食感が特徴で、東日本ではきな粉と黒蜜を、西日本ではきな粉のみで食べる。
以前はプラスチックの楊枝が付いていたのだが、一部の地域でなぜか楊枝が消えたのだ。
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わらび餅と楊枝はセットのイメージが強いためか、この変化に衝撃を受ける人が続出。ネット上では、「時代の流れで同封されなくなったのかな…」「いつの間に楊枝なくなったんだ」「マジか…色んなところでプラスチック削減されてるからか」など、驚きの声があがっている。
また、「竹楊枝付きのもあったで」「東日本は付いてた」「なくなったのは西のほうだけでは?」など、地域による違いを指摘する人の声も…。
わらび餅の楊枝はなぜ消えつつあるのか。明日香食品に取材したところ、「意外な裏側」が明らかになった…。

明日香食品の代表取締役・此下竜矢さんによると、今年2月から東日本ではプラスチックの楊枝が竹楊枝に、西日本では廃止になったという。楊枝が変わった理由を尋ねた。
「わらび餅の主な原材料は、本わらび粉やタピオカでんぷん、砂糖、きなこになりますが、こだわりの厳選材料を使っています。ですが、きな粉や砂糖は世界的に価格が高騰しています。わらび餅のぷりっとした食感を出すために製造時に冷水を使っているのですが、水温を下げるために必要な電気代はこの1年で一気に跳ね上がりました。輸送に使うダンボール、運送費などの値段も上がっています。また、政府からプラスチックごみ削減を推奨されています。1パック100円前後でお買い求めできるにはどうすればいいか、社内で何度も話し合いました。味を落として安い原材料に変えたり、量を減らすといったことはせず、お客様が直接食べる部分はできる限り守りたい。その結果、ピックス(楊枝)を変更することになったんです。お客様が口にされない部分であるとはいえ、ご不便をおかけしてしまい、申し訳なく思っています」(此下さん)。
ぷりぷりした食感のタピオカでんぷん、香り高いきな粉など、こだわりの原材料を変えずにこれまでの価格を維持したい。なるべくお手頃に最高の品を提供したい。そんな強い思いがあったのだ。
楊枝がなくなった西日本では、新たな挑戦を始めたという。
「マイ楊枝のプレゼントキャンペーンを行ない、黒文字製の楊枝を200名の方にプレゼントしています。楊枝を入れる袋も、京都の西陣織のサヤ袋を使用しています。マイ箸、マイボトルが定着しているので、使い捨てではなく、持ち歩いていただければと思っています」(前出・此下さん)。

まるで老舗の和菓子店にいるような感覚を味わえそうだ。キャンペーンで使う品にも妥協しない姿勢が窺える。
昨今の厳しい状況下で値上げすることは考えなかったのだろうか。
こちらの疑問をぶつけたところ、前出の此下さんからは、「当社は『ちょっと食べる喜びを毎日、世界へ』をミッションにしています。お客様に毎日食べていただきたいので、安くなければなりません。500円のわらび餅では、誰もが気軽に食べられませんからね。今年2月からそうした思いを皆様にお伝えしております。様々なものの値段が上がる中でも、企業としてできることを正直に説明させていただくよう心がけています」という熱い回答が寄せられた。
これからも、安くて美味しいわらび餅は、たくさんの人に愛され続けるに違いない。