トランス女性を取り上げたスターバックスインドのCMに賛否両論

インドのスターバックスがトランス女性とその家族を描いた新CMを公開し、ソーシャルメディアでは賛否両論が巻き起こっているという。
2分間のCMのタイトルは「#ItStartsWithYourName(あなたの名前から始まる)」。スターバックスで息子を待っている夫婦のもとに美しく着飾った女性が現れる。彼女は夫婦の息子だが、今は女性として生きているようだ。
彼女は母親とハグするが、父親はやんわり拒否。気まずい雰囲気の中、着席した女性は「今日は会ってくれてありがとう、パパ」と話しかける。その場から逃げるように立ち上がった父親は「コーヒーか?」と短く尋ね、カウンターへ。指をテーブルの上でトントン鳴らす彼女に、戻ってきた父親は「そのクセ、変わらないな」と一言。
その直後、カウンターから「コーヒー3つでお待ちのArpitaさまー」と声がかかる。カップに書かれた「ARPITA」は、出生時の名前ARPITを女性形にしたもので、今彼女が名乗っている名前だった。
「私にとって、まだまだお前は我が子だ。たった一文字、名前にくっついただけだ」。
息子が女性として生きていくことを父親が受け入れるーーそんな心境の大きな変化を、カップに名前を書き入れるスターバックスならではのサービスを通じて描いている。
インド人トランスモデルのSiyaを起用したこのCMは先週公開されて以降、Twitterで510万回、YouTubeで116万回再生されている。
Twitterでは、
《今まで見た中で最高に感動した! トランスの子供に対する両親の愛と受容が全てですね。ありがとう、スターバックス》
《LGBTQIの人たちをサポートする素晴らしい広告だわ》
と賞賛の声が上がる一方で、多宗教国家であり、保守的な価値観を持つ人々が多いインドでは、反発する声も一部から上がっている。
《WOKEISM(社会的不公平や人種差別に高い意識を持つこと)は巨大なビジネスだ。コーヒーから高額な性別適合手術まで。これは西洋の一部の人たちが、数十年前に失った植民地を取り戻そうとするための方法なのだ》