玉川徹氏、「少子化問題」で出生率0・78の韓国を現地取材…「もしかしたら韓国の姿が日本の将来の姿かもしれない」

テレビ朝日の玉川徹氏が18日、コメンテーターを務める同局系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜・午前8時)に生出演した。
玉川氏は、日本の少子化問題に関連して日本の1・30(2021年)を下回る0・78(2022年・暫定値)の韓国を現地取材した。
首都ソウルの出生率は、0・59。こうした少子化が進む韓国で「何が起きているか」を取材するために玉川氏はソウル市郊外に住む2人の子どもを持つ夫婦を含む3組の夫婦らを取材した。
2人の子どもを持つ1組目の夫婦の妻は、子育てに「教育費がかかる」とし子育てについて「少し怖いなと感じます。経済的に」などと明かした。
取材した2組目の夫婦は、「子どもを産まない選択をした」とし、その理由を夫は「もし子どもが生まれたら何が怖いかというと、韓国の場合は子どもが生まれると小学校に入学後、多ければ4か所から5か所の塾に通います。遊ぶべき時期に遊べない子どもたちの姿を見るとまるで機械をトレーニングしているようです。僕も社会人生活をしていると教育の必要性、社会が要求する能力を身につけてこそ、稼ぐことができるのはわかります。競争を続けさせながら子育てをすることになりますので私はそういうところに絶望を感じます」と明かしていた。
その中で番組では、少子化の背景として韓国では、学歴、社会人となっても競争が続き、住宅費も特にソウル市内で高騰していることなどを伝えた。こうした状況で最近、親の経済力で子どもの教育や生活レベルが決まってしまう「スプーン階級論」が流行したことを紹介。これは「お金持ちの家庭」に生まれれば金のスプーン、「普通の家庭」なら銀や銅のスプーン。「貧しい家庭」なら土のスプーンを持って生まれたと表現するもので、「自分の力だけではどうしようもないあきらめにも似た考えがあるという」と伝えた。
取材した3組目の夫婦は、子どもを産むかどうか悩んでいるという。夫は、親の世代より低い出生率となっている理由を「私たち、若者世代が前の世代より希望がない、幸せになる希望と見込みがないということです」と明かしていた。
スタジオで玉川氏は今回の韓国での「少子化問題」取材を受け「一番印象的だったのは出てくる言葉が激しいんです」などとし、パネルで1組目の夫婦の「高額な教育費が怖い」、2組目の「高騰する住宅費や競争し続ける社会での子育てに絶望感」、3組目の「幸せになる希望がない」との言葉を改めて紹介し「言葉だけ並んでいると、ショックを受けました。だけど、このどれもが日本の中にないかというとそうでもないかな?と」と指摘した。
VTRで伝えた「スプーン階級論」を玉川氏は「日本には親ガチャという言葉が出てきていますよね。だから日本の中にあるいろいろな問題が韓国では、より激しいが故にさらに出生率が下がっているのかな?と感じたんです」と解説した。
さらに出演者の意見を聞いた上で「日本でも自分の親世代より自分の世代がいい世の中になるとか、いい人生を送れるという確信がなければ、子どもを作っていいのかって思いますよね?」とし「だから日本もそういう部分が解決しない、むしろ、さらにひどくなれば、韓国のようになってしまうかもしれない。(出生率が)もっと下がってしまうかもしれない。それを僕は、もしかしたら韓国の姿が日本の将来の姿かもしれないと感じました」とコメントしていた。