良心的な飲食店にイスラエルから「嫌がらせレビュー」が連投… ネットユーザーが窮地を救う

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飲食店の客入りを大きく左右させる、ネット上の口コミや、レビュー。いま、青森市内にある個人経営の居酒屋を狙った、“嫌がらせレビュー”行為がネットで物議を醸している。
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「それまでGoogleレビューでは平均でも星5つに近い評価だったのですが、ある日突然星1という低評価が付けられ、『あれ、何だか今日はおかしいね』なんて夫と話していたら、約1時間で40件もの星1評価が連投されました。本当に怖かった」と、話すのは青森県青森市にある『青森居酒屋いい友』の櫻庭里穂さん。
同店は2019年、「地元の方、県外の方からも愛されるお店」を目指し青森駅から徒歩10分のエリアにオープン。和食料理人である夫とともに二人三脚で盛り上げてきた座席数15席の居酒屋で、夜になれば青森の新鮮なホタテを中心にした魚介、地鶏、そして郷土料理を求め観光客や地元客で賑わう。
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新型コロナという逆風を耐え、ようやく観光客が戻ってきたと思った矢先に襲われた今回の連続「嫌がらせレビュー」。櫻庭さんは、不可解な点ばかりだと話す。
「それまで3年間で20件程度のレビューしかなかったのに、一晩で200件近い低評価。なんでこんな小さなお店を狙うの…っていう感じでした。見てみると低評価をつけた人の大半はヘブライ文字を使うイスラエルのユーザーのようで、料理の感想などは一切書かず、星の評価だけなんです。『妹のミリアムに会いに来てください』という意味不明な現地語で書かれているレビューも数件ありました。明らかに店をご利用されたお客様とは違います」(櫻庭さん)。
家族で営んでいるような個人経営の飲食店は、お店の広報・宣伝活動に使えるリソースも資金も限られている。Googleや食べログの高評価維持は新規客獲得につながる生命線だ。
里穂さんは「低評価が殺到した翌朝、とあるIT業者から『評価を上げるお手伝いをします。お金をかければ評価はコントロールできるのです』と営業電話が入りました。その日だけで数社の業者から。気持ち悪くて夫は電話を切ったのですが、まるでGoogleの関連会社のような言い回しでした」と続ける。
夫婦でGoogle側に今回のトラブルを報告しようと動くも、Google側の案内はヘルプページを繋げるだけで何の解決にもならなかった。しかたなく、偽レビューの違反報告を夫婦でするも多勢に無勢で全くおいつかない。
そこで、里穂さんは半ば諦めつつ「頑張っているお店に同じ体験をしてほしくない」と今回の一部始終をまとめTwitterに投稿した。するとそのつぶやきは約3万リツイート、約4万いいねがはいるほど広く拡散され、事情を知った多くの一般ユーザーたちが「違反報告」に加勢してくれたのだった。

「みるみるイスラエルユーザーによる低評価のレビューが消えていき、22日時点で残り数件という状況になりました。皆様には本当に感謝しています。SNSが無かったら泣き寝入りするしかなかったんです。一方で、低評価をつけたグループと、IT業者が結託しているかはわかりませんが、一生懸命やってきている人たちを傷つけることは辞めて欲しいし、同じように悩んでいる飲食店の方がいたら『勇気をもって声を上げて欲しい』とアドバイスしてあげたいです」と里穂さんは振り返る。
その後、一般ユーザーたちから店の評判を回復させようと高評価が次々入る事態になっている。その行動に至る気持ちも十分理解できるが、店に行っていないユーザーの高評価連発をGoogle側は「異常」と認識する可能性があるので避けたほうがいいアクションである。
里穂さんの夫は感謝を述べつつ「私の望みはGoogleの点数をあげることではなく、ただただ事が起きる前の状態に戻ってくれるだけで満足です。少しでも異常な事態が発生している事がGoogle方に伝わればと思います」とコメント。事態は解決に向けて進み始めている。
【拡散希望】旦那のお店が詐欺に巻き込まれました
内容は、Googleレビューで低評価1をたくさんつけられ、後でそのレビューをして消して欲しかったらお金を払えと要求して来るものです
払わなければ、低評価のままの店にさせられます… pic.twitter.com/NE47bLdch4
櫻庭里穂(旧姓/鈴木里穂) (@shiibasusuzuki) May 21, 2023