「演奏がうるさい」ストリートピアノは騒音なのか? 設置から約1年で名古屋駅前・JRゲートタワーでは利用中止に 測ってみると80デシベルは「蝉の鳴き声」相当の音 【チャント!調査隊】

身近なギモンや地域の困りごとを調査するCBCテレビ「チャント!調査隊」。今回は最近街でよく見かける「ストリートピアノ」についてです。
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誰でも自由に演奏できるストリートピアノ。名古屋市は去年4月、街の中で気軽に音楽を楽しんでほしいと、市内3か所にピアノを設置しました。そのうちの1つが名古屋駅に隣接するJRゲートタワーのピアノです。
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ここで演奏を楽しんだ人に話を聞くと「緊張した。心がウキウキして楽しくなった」といった声や「コロナ禍で中々出かけるのが難しいですが、立ち止まって癒やされたり楽しんだりできるのでいいなと」などの声が聞かれました。
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ピアノには、名古屋芸術大学の学生らが描いた花や猫などの、色鮮やかな日本画が施されています。名古屋市の肝いりの事業で、たくさんの人の思いが詰まった「ストリートピアノ」。しかし、ゲートタワーのピアノは現在利用を中止しています。同じ時期に設置された市内のほかの2カ所は利用されているのに、一体なぜこちらは利用中止に追い込まれてしまったのでしょうか。(名古屋市観光文化交流局 谷太陽課長)「周囲の方から、ピアノの設置について一部否定的な声がありました。音量がうるさいと…。ピアノの近くに、喫茶店など人が滞留するエリアがあったことが、一つの原因ではないか」中止のワケは「騒音」。月に数件「演奏がうるさい」などの苦情があったといいます。ピアノの目と鼻の先、1.5メートルほどのところにはカフェがあります。市は、大勢が行き交う駅などと違って、長時間、その場に滞在する立地が「騒音」と捉えられる原因の1つではないかと話します。また、一部の利用者がマナーを守らず、大音量で演奏したことも利用中止に追い込まれた一因としています。名古屋の街の人は…。(40代)「上手な人が弾いている分にはいい。子どものいたずらレベルだったらやめてほしい」(高校1年生)「全然あってもいいと思う。演奏聞きながら落ち着いた雰囲気で。(Q乱暴な弾き方だったら?)それはイヤです」(20代)「残念です。弾く方いると思うのでそのままあった方がいい」
一方、こちらは愛知県一宮市の名鉄一宮駅。おととし市制100周年を記念してストリートピアノが設置されました。
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演奏が可能なのは午前11時から午後6時まで。多い日には1日に30人もの人が演奏します。(演奏した人)「自分の演奏を人に聴いてもらえるのがうれしい」「学校帰りの電車の待ち時間に弾いている。みんなが音楽に親しめるのがとてもいいことだと思う」しかし、ここのストリートピアノでも、設置当初は騒音の苦情があったといいます。(名鉄百貨店一宮店営業部 伊達靖久部長)「周りにお店や駅がある中で、他の楽器とのセッションする人がいて、業務がしづらいとの声を頂いた」そこで、他の楽器とのセッションや合唱を禁止にするなど、マナーを守った上での利用を呼び掛けたところ、騒音の苦情は無くなりました。では、マナーを守った上でのピアノの演奏は「騒音」か、「騒音ではない」のか。
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ピアノから3メートル離れた場所での音量を調べてみると、約80デシベル。これは「蝉の鳴き声」や「ゲームセンターの店内」と同じくらいの音量で、確かにピアノの演奏は「大きな音」であると言えます。それでも、通りかかった人からは「色んな人が弾いていて、聴いたことのない音楽を弾いてくれる」「弾いていると人が集まる。心が和むのでいいと思う」といった声が聞こえました。
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「気軽に音楽に触れられる、無くてはならない存在だ」として、必要性を訴える駅の利用者も少なくありません。(名鉄百貨店一宮店営業部 伊達靖久部長)「演奏目的でない色んな人もいる中で、お互いが理解し合える環境の中で、ピアノが続くことを期待している」
誰でも自由に演奏できるストリートピアノ。多くの人が行き交う場所に設置されているからこそ、マナーを守った上での利用が求められます。
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