コロナ禍で増えた間借り・間貸しビジネスが進化していた

TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』毎週月曜日~金曜日 朝6時30分から放送中!
5月31日(水)放送後記
お店を有効活用したい人と、資金がなくてお店を持てない人を繋げるコミュニティサイトが人気になっているようです。要は営業していない時間帯にスペースを貸したい「間貸し」側と、そのスペースを借りて商売をしたい「間借り」側を繋げる無料のサイトで、その名前は「店タク」。
運営する株式会社ムジャキフーズ 中島淳子さんに伺いました。資金がなくてお店が開けない方だったり、ちょっと今回のコロナの件で閉業してしまった方っていう人たちと、お店のペースだったり、時間を有効活用したいお店の人を繋げるマッチングサイトになってます。とあるスナックの経営者のお話なんですけれども、週末だけで大体家賃分は賄えてたんですけれども、コロナによってお客様がめっきり減ってしまって家賃を支払うのが難しい状況になったと。で、平日に使いたい人を募って、飲食店をいずれ開きたい人に使ってもらって、もう丸々1ヶ月埋まるぐらい利用者が入って、家賃もまかなえるようになったし、2店舗目まで行けるようになったって感じですね
元々このマッチングサイトは、2020年の12月にスタートする予定だったのが、ちょうどその頃コロナが拡大して、多くのお店が経営難となってしまった。そこで半年早めて、6月に簡易的な先行サイトをスタートしたところ、登録者が1500人も集まり、その後正式リリースから2年でユーザー数1万人を突破するまで、成長したそうです。
きっかけはコロナでしたが、飲食店の制限がなくなった後も、引き続きサイトは活発に利用されているようで、定着しているようです。
一方で、少し変わった形で「間借りビジネス」から成功した専門店がありました。株式会社ドリームアシスタント、代表で、「まがりDEバナナ」を手掛ける前田晃介さんのお話しです。
株式会社ドリームアシスタント、代表 前田晃介さん / DXYZ株式会社のBiz Devマネージャー 橋本裕介さん飲食店が空いてる時間、アイドルタイムとかに、バナナジュースを販売するっていうようなビジネスになります。仕組みとしては、元々飲食店を持ってる方が、間借りって言いながらも、その飲食店のオーナーが、そのままプラスアルファっていう形でバナナジュースを販売する導入しているというような形ですね。良い事例で言うと、キッチンカーをやられてるオーナーさんが導入したりとかしてるんでけども、イベントに行って200杯とか300杯とかいったりするんで、それだけで売上10万以上、1日で取れたりとか、本業の飲食店の集客が伸びたとか、そういった声がかなり多いですかね。2020年の7月から第1号店がオープンしたんですけど、そこから100店舗は超えてきて。今110店舗ぐらいで、新規の加盟は今現状止めてるような状況です。
こちらは間借りから始まって、間借りを超えて広がった事例。
もともとはバイトをクビになってしまった方が、間借りでバナナジュースを販売するのを、前田さんが応援したのがきっかけ。それを見た、他の飲食店の人から、営業時間外に、うちもバナナジュースを売りたい、という声が集まって、前田さんがフランチャイズを始めたそうです。もはや間借りではない、まがらないバナナなんですが、当初のきっかけ通り「まがりDEバナナ」という名前で続いているようです。
スペースさえあれば、あとはジュースの材料とミキサーなどがあれば始める事が出来るので参入しやすいなどの特徴から、あっという間に、導入店舗が100店舗ほどあるそう。
コロナを背景に間借りで商売するお店が出てきて、それが違う形に展開していくというのは、ここだけではありません。先程の「店タク」でも間借り以外へと変化しているようです。「店タク」のムジャキフーズ、中島さんに伺いました。
株式会社ムジャキフーズ 中島淳子さんとあるレストランの方で、この方も店タクを活用することになったんですけど、長年、独立を夢見ていたご夫婦さんと出会って、その方から「やっと夢を叶えることができた」と感謝の言葉をもらったのをきっかけに、ただの賃貸借契約ではなくて、その人たちにお店のことを託す業務委託のスタイルでやられることになりました。こういったケースがすごく多くて、最初は単純にスペースを利用して、単純にそういった使い方をされる方が多かったんですけど、いつの間にかユーザー同士で繋がって、新しい事業を始めたり、イベントを開催したり、コロナを機にお店の運営の仕方が変わってきていると思います。
間借りで自分のお店を持てた夫婦の感謝の言葉から、お店をやりたい人に自分のお店を託すようになったという話が出てきましたが、間借りをきっかけに、お店とお店が出会うと、それが共同経営や、新しいビジネス、本屋と飲食店という異業種がシェアビジネスをしたり、さまざま広がっていくそうで、単純な場所貸し以上の価値が生まれているということでした。