【大雨警戒】一宮川沿いに大型土のう 浸水被害に備え、警察は救助ボート準備 水害多発の茂原市

大雨の危険が高まっていることを受け、平成以降で4度も大規模な水害が発生している茂原市では2日、浸水被害に備え関係機関が対応に追われた。一宮川改修事務所は越水を防ぐため、大型の土のう袋を川沿いに200~300個設置。茂原署は救助用ボートを組み立て、操縦方法を確認した。同署は同日から3日にかけ、迅速に出動できるよう即応体制を取る。
近年では2019年10月の房総豪雨で甚大な浸水被害が発生した茂原市。茂原署によると、当時は署のボートも出動し、取り残された住民を救助するなどした。
風雨が次第に強まる中、同署では警備課と地域課の署員約10人が、救助用ボートに電動で空気を注入してオールを設置、扱い方を確認した。出動経験のある署員は「すぐに救助者に近寄ると慌ててボートに乗ろうとし、全員が転覆する恐れがある。すぐには近づかない」と注意点を説明した。
同署の担当者は「使わないのが一番だが、万一、救助者がいた場合は臨機応変に対応したい」と気を引き締めた。
房総豪雨の際に氾濫した一宮川が流れる同市八千代地区では、1トンの土のうがトラックで次々と運ばれ、クレーン車で川沿いに設置された。
一宮川改修事務所によると、同地区では水害対策の護岸工事を実施中。工事で一時的に土のうを取り除いていた場所に積み、水位上昇に備えた。
茂原市は水害に備え、通常の土のうを1軒あたり10袋まで無料で配布している。市土木管理課によると、約2万2900袋を用意している茂原公園第2駐車場では1日、6軒が60袋を受け取りに来た。2日も問い合わせがあったという。