日本各地の廃墟(はいきょ)を舞台に、災いのもとである「扉」を閉めていく少女・岩戸鈴芽(すずめ)の成長と解放を描いた新海誠監督の最新アニメ映画「すずめの戸締まり」。このほど初めて沖縄を訪れた新海監督は「沖縄の皆さんがこの映画を見た時に、どんな感想を持っていただけるのか知りたい。ぜひ教えてほしい」と呼びかけた。(フリーライター・たまきまさみ)
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■「場所を悼む」職業とは
「人が亡くなればお葬式をして、みんなで悼む。だが場所が人間のものではなくなっていけば、人間は何をするのかと疑問に思った。何もせず、ただ朽ちて自然に返ることが多いのだろうが、『場所を悼む』仕事があるとしたら、それはどういう職業なのかと考えた」と振り返る。
作品に出てくるコンビニやスナック、商店街などの風景は、映画を見る人の日常生活の風景と重なり、現実味を帯びていく。廃墟となった遊園地や廃村など、どこかにありそうな、朽ちゆく風景に、見る人は時折、痛みも感じる。物語では災害も描かれている。「人間の生活も自然や災害も、関わり合う中で起きているのだと思いながら書いたセリフがある。人間が住む所に災害が襲いかかるイメージがあるが、元々は自然現象で、そこに人間がいるから災害になる。気候危機や温暖化など災害は人間と関係のないものではない」
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■沖縄は「空気も風景も違う」
沖縄の印象については「空港からわずかな道のりの風景しか見ていないが、それでもはっきりと空気も違うし、風景の手触りも違う。違う神様がいる場所という感覚があった。映画を見て、どう感じたのかを教えていただければすごくうれしい」とファンにメッセージを送った。
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