5月24日、NTT川崎ビルの屋上で保育園児を招待した苗植会が行われた。NTT東日本 川崎支店は2010年より屋上緑化活動を行っているが、コロナ禍により一度休止しており、今回は4年ぶりの開催となる。天候にも恵まれ、園児たちは笑顔で苗を植えていた。
○園児たちが屋上緑化活動を体験
NTT東日本 川崎支店は、2010年からNTT川崎ビルの屋上緑化活動に取り組んでいる。2012年からは、地元保育園の園児たちを招待して野菜や花の栽培を行う体験会も開始しており、地域からの評判も上々だ。
だが新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、2020年度にいったん活動を休止。自粛は3年間にわたって続いたが、新型コロナウイルス感染症の5類移行を受け、今年度の開催が決定。5月24日に、4年ぶりとなる園児を招いた苗植会が行われた。
NTT東日本 川崎支店 支店長の立野恭伸氏は「やっとコロナも落ち着き、みなさんの笑顔と直接お会いできて本当に嬉しく思います。みなさんが元気にお芋さんの苗を植えてくれると、その後大きく育ってくれると思いますので、楽しく元気に植えてください」と園児にその喜びを伝え、開催の挨拶とする。
今回植えられたのは、サツマイモ40鉢、枝豆16鉢、ひまわり24鉢。園児たちは、暖かな太陽の下で地元企業やNTT社員と触れあいながら、手で穴を掘ったり、苗を優しく押さえたり、苗に水をあげたりしながら、楽しそうに作業を進めた。
参加した園児は「植えるのがとても楽しかった」「じょうろでお水を上げるところが楽しかった」と感想を述べるとともに、「でっかいお芋が育って欲しい!」「サツマイモが出来たら焼き芋にしたい」「きのことお芋が混ざった料理が食べたい」と収穫の楽しみについて大きな声で話してくれた。
○“コロナに負けて中止”にしたくない
屋上緑化活動に立ち上げから関わっているNTT東日本 川崎支店 総括担当 東 政浩氏は、活動の趣旨と経緯について次のように話す。
「この活動はもともと地球温暖化防止対策として2010年にスモールスタートしたものですが、その後、企業PRやファンの獲得、地域活性といった目的も加わり、徐々に取り組みが広がっていきました。今回の苗や土も地元川崎のもので、園児に指導されたのも地元企業の方です」(東 氏)
地元保育園の園児の招待は2011年に企画されたそうだが、東日本大震災の影響から一年遅れ、2012年から取り組みが始まったという。だが新型コロナウイルス感染症の影響から、2020年度に一旦中止を余儀なくされる。
「『“コロナに負けて中止”にならないよう、何とか続けられないか』という提案を社員のみならず保育園側からもいただきまして、この3年間は分散栽培を行っていました。具体的には、社員が屋上庭園を継続しつつ、保育園では園庭で栽培を行っていただき、それぞれをリモートで繋ぐという形です。今年度はついに再開でき、非常に喜ばしく思っています」(東 氏)
NTT東日本 川崎支店は、川崎臨海部のカーボンニュートラル化に向けた協議会への参画を初めとした活動により、川崎市から「かわさきSDGsゴールドパートナー」として認証されている。また、ひまわりを福島の大地に咲かせる取り組み「福島ひまわり里親プロジェクト」にも参加しており、今後もSDGsと地域貢献への積極的な取り組みを続けていくという。
「屋上緑化の活動も来年で15年目。内容は当社のFacebookなどから振り返ることができますが、過去にはゴーヤを利用した緑のカーテンなども作りました。最初に来られた園児たちはもう高校生になっていますから、感慨深いですね。NTT東日本のビルに来たという記憶はもう残っていないと思いますが、ここでの体験が何らかの形で子どもたちの糧になってくれることを願っています」(東 氏)