県内の百貨店で、お中元商戦が本格化している。新型コロナウイルスの5類移行を受け、商品の試食を再開するなど制限の緩和が進んだ一方、来客数の増加が見込まれるためネット予約枠を設けるなど感染予防の工夫も継続。そごう千葉店(千葉市中央区)は千葉県誕生150周年の節目に合わせ、千葉の食の魅力をさらに発信しようと、県コンテストで受賞した品を含めた新たなセットを用意。各店舗も地元産品をはじめとしたアイテムの充実を図り売り上げ増を狙う。
そごう千葉店のギフトセンターは設置初日の13日、最大90分待ちの盛況ぶり。担当者によると、今年は「店で商品を選びたい」との声が増えたという。一方で過度な混雑を避けるために待ち時間ゼロのネット予約受け取りブースも継続して設置するなど、さまざまなニーズに対応している。
試食提供も4年ぶりに実施。品定め中の顧客に販売員が「いかがですか」と試食コーナーに誘導するかつての光景が復活した。
県産品ギフトは約150品。県が2012年から実施している「食のちばの逸品を発掘」コンテスト受賞商品からは「千葉ぴーなっつジェラート」「房州びわ 枇杷(びわ)の実」などを新たに追加した。夏の果物需要に対応する長生メロン、土用の丑(うし)の日の需要を見込んだ成田のウナギも人気を集めている。
東武百貨店船橋店(船橋市)は8日にギフトセンターを開設。「千葉・船橋銘産品ギフト」は約80点を準備し、同店によると、中でも船橋のノリの詰め合わせの販売が伸びている。カレーやコーヒーなどの新アイテムも加え、バラエティー豊かな商品をそろえた。
高島屋柏店(柏市)は7日にギフトセンターをオープン。地元産品では贈答用として、市原の落花生の滑り出しが良いという。一方で、担当者は数年来の傾向として自分への「ご褒美」として購入する需要も高まっていると分析。小分けされたハンバーグや総菜などを用意し、売り上げ拡大を期待する。