「収入がない中でやりくりが大変だったと思う」 4歳の娘を死亡させた疑いで母親を逮捕 母親の兄が語る“日常” 衝動的な犯行だったか 三重・津市

三重県津市のアパートで、当時4歳の娘に暴行を加え死亡させたとして、42歳の母親が逮捕された事件。母親の兄が取材に応じ「収入がない中でやりくりが大変だったと思う」と話しました。
「収入がない中でやりくりが大変だったと思う」 4歳の娘を死亡…の画像はこちら >>
6月30日、傷害致死の疑いで送検された三重県津市の工場作業員・中林りゑ子容疑者(42)。中林容疑者は5月22日頃、自宅アパートの一室で、テーブルの上にいた三女のほのかちゃん(4)を右腕で押して床に落とし、その後死亡させたとして逮捕されました。
CBC
5月25日、中林容疑者本人による消防への通報でほのかちゃんは救急搬送されていて、救急隊が到着した際、ほのかちゃんはあおむけで意識がない状態だったということです。中林容疑者は容疑を概ね認めているということです。中林容疑者の兄は…(中林容疑者の兄)「収入もない中でやりくりが大変だったと思う」(記者)「大変だ、などと言っていた?」(中林容疑者の兄)「そういうことは出さないタイプだった」
CBC
捜査関係者によりますと、当時ほのかちゃんはローテーブルの上に立った状態だったということです。また、司法解剖の結果、体には複数の皮下出血がありましたが、「アザ」と呼べるほどではないということです。警察は日常的な暴行の結果起きた事件ではなく、テーブルの上にいたほのかちゃんを中林容疑者が衝動的に腕で押して落とした可能性を視野に、当時の状況などを更に詳しく調べる方針です。(中林容疑者の兄)「(Q日常的に虐待をする人?)ではない。日常的に暴力を振るっていれば上の子ども2人も当然被害に遭っているはず。積もったものが爆発した感じだと思う 」
CBC
中林容疑者の逮捕後、三重県の中勢児童相談所が会見を開きました。(児童相談所の担当者)「平成31年(2019年)2月 母による養育ができないという理由で、児童相談所との関わりがスタートしました」ほのかちゃんの解剖時の体重は約12キロ。4歳児の平均より4キロほど少なかったということです。
CBC
5月、搬送先の病院の医師からは死亡後、「頭蓋内出血や低体重など、児童虐待の疑いがある」と警察に通報がありました。
中林容疑者は4人暮らしで、ほのかちゃんは3姉妹の末っ子です。ある捜査関係者は「シングルで3人の子育てをする中で、等しく愛情を注げなくなった結果起きた事件だろう。ネグレクト気味だった」と話します。■ほのかちゃんが死亡に至った経過
CBC
2019年2月。母親の中林容疑者は「シングルマザーなので仕事をしないと生活できない」と児童相談所に申し出ます。これを受け児童相談所は生後間もないほのかちゃんを一時保護しました。その4か月後の6月には乳児院に入所。しかし、2021年3月には保育園への入園などを条件に自宅に戻りました。そして、4月から津市内の保育園に入園。しかし、去年2月、園から「両頬と両耳にアザがある」と児童相談所に連絡がありました。
CBC
児童相談所は、中林容疑者と直接面談します。この際、中林容疑者は「ベッドから落ちておもちゃ箱に顔を突っ込んだ」と説明し、児童相談所の指導にも従う姿勢だったため虐待ではないとして、児童相談所は一時保護をしませんでした。(児童相談所の担当者)「中林容疑者は、児童相談所の指導や支援に応じる姿勢がみられたことから、一時保護はその時行わず定期的な見守りを行う方針とした。一時保護をしなかった判断は間違っていない」名古屋市の場合、現職警察官が児童相談所に常駐していて、子どもの強制的な一時保護などができます。2012年にCBCテレビが取材した映像では警察官が指揮を執る中、児童相談所がネグレクトの疑いのある家庭に、親がいない間に入り、中学生の兄と0歳の弟を保護した様子が残っています。津市でおきた今回の事件。ほのかちゃんの命は、警察とも緊密に連携して救うことはできなかったのでしょうか?児童相談所が中林容疑者に面談したのは去年の2月が最後。ほのかちゃんの様子も1年以上にわたって直接確認しておらず、三重県は対応に問題がなかったか今後、第三者委員会を設置し検証します。