コンテナが出せない、運び込めない 名古屋港でシステム障害 貨物取扱量日本一の港に何が起きた?【解説】

名古屋港でシステム障害が起き、コンテナの搬入・搬出ができなくなっています。今回のシステム障害はランサムウェアを使ったサイバー攻撃を受けた可能性があると言います。ランサムウェアとはそもそもどのようなものなのでしょうか?
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(大石アンカーマン)「ランサムウェア」というのは造語で、「ランサム」は身代金、「ウェア」はソフトウェアから来ています。わかりやすく言うと、コンピューターウイルスを使った身代金要求型のサイバー攻撃です。具体的な手口を見てみます。例えば、メールなどにこのコンピュータウイルス忍ばせます。それを間違って開けてしまうと、保存データが暗号化されて使えなくなり、システムがダウンして仕事が停止してしまう。名古屋港はまさにこれだったわけです。それで、対価を払わないと「データを公開するぞ」と企業側に身代金などを要求してくるものなんですね。今回の名古屋港の場合は、ことし1月にシステムの改修が完了していたんですが、その後にこのような被害に遭ってしまったということなんです。
CBC
では、どんな影響が出るんでしょうか?名古屋港の去年のコンテナ取り扱い量を調べてみました。まず、貨物の取扱量は21年連続で日本一です。取扱量を全長6mのコンテナで換算すると、国内の取り扱い量はおよそ15万個。海外が235万個です。営業日で見てみますと、1日およそ1万個を超える取り扱い量があるわけです。つまり、トラック1万台が行き来しているといえるんです。ではどんなものが多いのか。輸入ですと衣類・自動車部品など。輸出ですと自動車部品が多くて4割近く。そして産業機械となっています。今回見てもわかる通り、1度システムがダウンしてしまいますと影響がいかに大きいのか、名古屋港の存在感の大きさも図らずも浮き彫りになった形です。一方でサイバー攻撃をどう防ぐのかという大きな課題も見えてきました。
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21年連続で貨物の取り扱い量が日本一という名古屋港は、非常に重要な物流拠点です。一刻も早い復旧が求められています。