札幌ラブホ首なし遺体 入室3時間で生首を持ち去った“オンナ”の用意周到さと手際

犯人が「オンナ」だったとしたら、あまりにも手際の良い殺害手順だ。
札幌市の繁華街・ススキノのラブホテルで2日、北海道恵庭市の会社員、浦仁志さん(62)の遺体が首が切断された状態で見つかった事件。入念な準備と作業の素早さから、計画的で強い殺意と相当な残忍性がうかがえる。
ラブホの防犯カメラには、被害男性が1日午後10時50分ごろ、帽子を目深にかぶり、大型の黒いスーツケースを引いた小柄で女物のような白い服装の人物と一緒に部屋に入る姿が写っていた。2人はラブホの近くで待ち合わせをし、タッチパネルで2階の202号室を選んだ。
約3時間後の2日午前2時ごろ、部屋からフロントに女性のような声で「1人で先に出ます」と電話で伝え、犯人とみられる人物はフロントの前を通り、ラブホを後にした。部屋のカギはフロントから遠隔操作で解錠するシステムになっていた。退出時、この人物はあらかじめ用意していた黒い服装に着替え、帽子をかぶり、マスク姿でスーツケースを引き、入室時には防犯カメラに写っていなかったリュックサックを背負っていた。ラブホの宿泊タイムは午後9時~翌午前11時だった。
2日午後3時ごろ、チェックアウトをせず、電話をしても出ないことを不審に思った従業員が2階の部屋を訪れ、客室左奥にある浴室で男性のクビなし遺体を発見した。ベッドのあった客室には目立った血痕がなく、首以外の外傷が致命傷だったことから、浴室で殺害され、その後、首を切断されたことが判明した。
■わずか3時間ですべての犯行を終了
「現場には男性の携帯電話や身分証などの所持品はなく、男性は全裸の状態で衣服もなくなっていた。男性の頭部は犯人が持参したスーツケースかリュックに入れられ、運んだとみられる。犯人も服を着替えていたことから、男性を殺害し、クビをはねた後、風呂場で返り血を洗い流した可能性もある。頭部や所持品は男性の身元の特定を遅らせる目的で持ち去ったと考えられ、切断に使われた凶器も見つかっていない」(捜査事情通)
入室してからわずか3時間。その間に、1人で男性を殺害してクビを切り落とし、生首を遺留品と一緒に荷物に詰め込み、持ち運んだのだ。まさに用意周到というか、狂気の沙汰。とても素人の仕業とは思えない。動機は怨恨なのか、それとも猟奇的殺人なのか。