西日本豪雨から5年 いざという時に行動できるように「気象情報」「キキクル」の活用

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豪雨災害から5年が経ち、今も土砂崩れや河川の決壊した箇所の補修や改修、ため池などの防災対策の見直しが行われ、防災に取り組んでいます。また、気象予測の技術も進歩しており、その情報をうまく活用して、非日常である災害が起こった時、自分や家族、地域の人を守るため、すぐに行動できるように準備しておく必要があります。
西日本豪雨
西日本豪雨(H30年7月豪雨)は、台風や活発化した梅雨前線の影響で西日本を中心とした全国的に広い範囲で発生した豪雨です。断続的に非常に激しい雨が同じ場所で降り続く線状降水帯が多く発生し、記録的な大雨となりました。この豪雨により、西日本を中心に多くの地域で河川の氾濫や浸水害、土砂災害が発生し、死者や行方不明者が200人を超える甚大な災害となりました。
避難するかの判断は?

●まず、大雨が予想される場合、前もって防災気象情報が気象庁から発表されます。気象情報は自治体に伝達され、様々なメディアを通して、いつ、どこで大雨になるか、警報級の大雨になるか、などの情報が発信されます。その後、実際に大雨になり、災害が想定されるような気象状況となると、大雨警報や洪水警報などの情報が気象庁から発表されます。これは、地元の自治体が発令する「警戒レベル3」に相当する目安で、「キキクル」(危険度分布)では土砂災害、浸水、河川の氾濫が警戒の「赤色」で表示されます。「警戒レベル3」は危険な場所から、高齢者等が避難する必要があります。●更に大雨が続き、災害の危険度が高くなると、土砂災害警戒情報や顕著な大雨に関する気象情報などが気象庁から発表され、地元の自治体が「警戒レベル4」の避難指示を発令する目安となります。「キキクル」では土砂災害、浸水、河川の氾濫が想定される箇所が「紫色」で表示されます。既に安全な場所への避難が難しい状況では、川や崖から少しでも離れた近くの頑丈な建物の上層階(2階建ての自宅であれば、2階の川や崖から離れた側の部屋に移動)に避難するなど、最善の安全を確保する必要があります。●そして、気象庁が大雨特別警報や氾濫発生情報を発表するときは、すでに災害が発生又は切迫していること示し、「キキクル」では「黒色」で表示されます。地元の自治体が緊急安全確保を発令する「警報レベル5」に相当します。このように、防災気象情報が発表された際は、今後の大雨状況に注視し、避難準備品や周囲の人と避難の段取り(マイタイムライン)を考え、遠くの親戚や家族にも知らせておきましょう。大雨時は最新のキキクルや河川の水位情報を用いて、自治体から「警戒レベル4」が発令される時には、直ぐに避難できるような態勢をとっておく必要があります。情報の入手ができないお年寄りや近所の方と情報を共有し、いざという時に直ぐに安全な場所へ避難できるように準備しておいてください。

線状降水帯による大雨災害

西日本豪雨では線状降水帯が多数発生するなど、近年、線状降水帯による大雨が増えています。線状降水帯が発生すると、非常に激しい雨が同じ場所で降り続くため、土砂災害や河川の氾濫、浸水の危険度が急激に高まります。特に小さな川や側溝など、一気に水位が上昇し歩道や道路との区別がつかなくなるでしょう。気象庁は令和4年6月から、気象情報で半日前から大まかな地域を対象として「線状降水帯」というキーワードを使って大雨の可能性を呼びかけています。たとえ線状降水帯が発生しなくても、大雨となる可能性が高いため、注視する必要があります。なお、この気象情報は、令和6年からは半日程度前から県単位での予測を予定しており、令和11年からは半日前から市町村単位で危険度の把握が可能な危険度分布形式の情報を提供する予定となっています。前もって気象情報を入手し、危険な箇所に住んでいる方は地域の方と情報を共有し、安全な場所へ避難ができるように準備しておきましょう。
日頃からできる備え

大雨が予想される場合、特に危険な場所に住んでいる方は、直ぐに避難できるよう、備えておく必要があります。●自宅周辺や通勤、通学経路で浸水や土砂災害の危険性が高い場所を把握しておきましょう。 大雨による災害が発生し、自宅に帰れなかったり、避難場所に行けなくなったりすることもあります。複数の避難場所や避難経路を確認しておくことが大切です。また、家族で情報を共有しておきましょう。●非常用品の準備をしておきましょう。非常用の持ち出し品は、リュックなど両手が使えるものに入れて、すぐに持ち出せる所に準備してください。また、水道や電気など、ライフラインが止まった時に備えて、水や食料も用意しておいてください。● 側溝などの掃除をして、水はけを良くしておきましょう。砂利や落ち葉、ゴミなどが詰まっていないかも、確認しておいてください。