「最後に飲みたい…」地域に愛された”良寛牛乳”が事業停止 スーパーへ買い求める人も【新潟】

牛乳の消費低迷などから”良寛牛乳”で知られる乳製品メーカー「良寛」が7日、事業を停止しました。創業から約70年…長く愛された味がなくなることに、悲しむ声が相次いでいます。

7日に突如、事業を停止した出雲崎町の「良寛」。良寛牛乳などで県民に親しまれ、2022年に創業70周年を迎えていました。

しかし、牛乳の消費低迷に加え、新型コロナウイルスにより学校給食が一時中止になったことも影響し、2021年12月期には8580万円の赤字を計上。債務超過額は1億1576万円に拡大していました。

突然の事業停止の知らせに良寛牛乳を取り扱っていた事業者も驚きを隠せません。

【道の駅 良寛の里わしま 伊藤一郎さん】
「非常にショッキングというか、うちも結構主力商品でもありましたので」

良寛牛乳やアイスクリームを店頭で販売していただけでなく…キッチンカーで様々なアレンジ商品をキッチンカーで販売。

【道の駅 良寛の里わしま 伊藤一郎さん】
「非常に私どもこれから何を商品として売っていけばいいか非常に悩むところであります。これから売れないというのは非常に寂しい気持ちの方が大きい」

廃業を惜しむ声は消費者からも聞かれました。

【長谷川珠子アナウンサー】
「去年9月オープンした良寛牛乳の販売所ですオープンから半年も経っていないんですが、7日を持って閉店となりました」

去年9月にクラウドファンディングで集めた資金などでオープンした新潟市西区の販売所。店は閉められお客の姿はありません。そんな中…

【岡本威一郎さん】
「本日をもちまして閉店。これね本当に急だったんでもう一回食べに来たかったですけど非常に残念です」

YouTubeに動画を投稿しているというこちらの男性は閉店の知らせを聞いてやってきたと言います。

【岡本威一郎さん】
「ここでコーヒーソフトとかが売り始まった時に撮影させてもらってYouTubeで上げさせてもらったんです。なのでとても残念というか」

最後にもう一度良寛牛乳を味わいたいと近くのスーパーマーケットに行ってみることに。

【岡本威一郎さん】
「ありました!いやよかった~」

無事に商品を購入できたようです。

【岡本威一郎さん】
「やっぱりすごく美味しいです!他の牛乳とは一味違う感じがする」

慣れ親しんだ老舗の味の最後に寂しさをにじませます。

【岡本威一郎さん】
「このパッケージといいこの味が好きでなくなって欲しくないという気持ちが強い。いつでも待ってますので復活してもらえたらなと思いますね。また飲みたい・食べたい思いがあります」

事後処理を担う弁護士によりますと、従業員36人は7日付で解雇に。商品の生産は、残っている生乳を使って9日まで行われ、配送は10日まで予定されています。