Z世代に向けた低アルコールカクテル「mellowl」、スマドリバー渋谷などで数量限定発売へ

敢えてお酒を飲まない”ソバーキュリアス”というライフスタイルが若者の間で広まるなか、スマドリとSEAMは7月28日から、低アルコールカクテル「mellowl-メロル- 夜風感じるトロピカルミント」を販売開始した。Z世代と共に開発したカクテルだという。500本の限定生産で、渋谷センター街にある「スマドリバー渋谷」で提供するほか、オンライン販売も行う。

○mellowl、どんな味に?

「mellowl-メロル- 夜風感じるトロピカルミント」は、アルコール分3%、果汁82%の低アルコールカクテル。パイナップル、グレープフルーツ、レモン、ミントなど素材本来の甘酸っぱさと爽やかさを活かして作られた。製造元は喜久水酒造(長野県飯田市)。

Z世代にヒアリングし、先に「夏の夜のベランダで大切な人と飲みたい1杯」という飲用シーンを定めてから、相応しい味を模索していったという。

お酒を飲めない人も楽しめるバーとして昨年(2022年)6月にオープンしたスマドリバー渋谷にて50本分を、またSEAMが運営するkoyoi ECサイトで450本を販売する。価格は、スマドリバー渋谷では1杯750円、koyoi ECサイトでは1本980円、2本なら1,850円。期間限定店舗ながら、THE koyoi STORE(MIYASHITA PARK North2階)でも販売する。

筆者も試飲する機会を得た。口を近づけると、爽やかな風味。パインアップルをベースにしたフルーティーな飲み口で、とても飲みやすい。グレープフルーツのほろ苦さを感じつつも、後味には柑橘の甘酸っぱさが残った。アルコール分については、言われないと気が付かない程度。もうひと口、もうひと口と思わず飲み続けてしまう、そんな美味しいカクテルに仕上がっていた。

スマドリとSEAMがコラボした経緯について、アサヒビールとスマドリを兼務する京谷めい氏は「アサヒビールでも、アルコール分0.5%のクラフトビールテイスト『アサヒ ビアリー』、ノンアルコールの『アサヒ ドライゼロ』などを展開しています。そして昨年、お客様の生活スタイルに低アルコール飲料を取り入れてもらうことを目指してオープンしたのがスマドリバー渋谷です。一方でSEAMでも生活者のかたの日常に寄り添うような低アルコール飲料を展開しており、かねてから共鳴するところが多かった。そこで今回、両社のコラボが実現しました」と説明する。

SEAMでは、低アルコールのクラフトカクテルkoyoiブランドを2021年9月より展開中。「本格的なバーの味なのにヘルシーなお酒」という、こだわりのラインナップを揃えて販売している。

SEAM代表取締役CEOの石根友理恵氏は『mellowl』について、Z世代のお酒ニーズに着目して開発した商品だと説明する。「弊社では今年2月に20~27歳の男女270名に調査を実施しました。その結果、コロナ禍により大人数で乾杯する機会が減ったという回答が多かっただけでなく、『自分たちならではの飲みかたで乾杯したい』と考える若者が76%にも上ったんです」と石根氏。

そこでスマドリ、SEAMではZ世代をメンバーに加えた開発プロジェクトを発足。「背伸びしない日常の幸せを大切にする」というZ世代の気持ちを汲み取り、ブランドコンセプトを「ふとした瞬間に訪れる満ち足りた瞬間」と定めた。石根氏は「気の置けない友だちと、他愛もない話に花を咲かせる。あるいはちょっとだけ凝った料理をつくって、パートナーと美味しいねって笑い合う。そんな穏やかで心が満ち足りたとある夏の日の夜、心地よい夜風が吹くベランダで、大切な人と味わう1杯を目指しました」と説明した。

ちなみにスマドリとSEAMは今後、「冬」をテーマにした商品の開発にも着手する予定。本プロジェクトを通じて「新しいお酒の楽しみかた」「飲みかたの多様性」を広げていきたい、とのことだ。

近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら