地震や津波と原発事故が同時に発生する”複合災害”の時の避難のあり方について、原子力規制委員会の初代委員長を務めた田中俊一さんが2日、柏崎市で講演しました。
この講演会は、能登半島地震で家屋の倒壊が多発したことを受け、複合災害時の避難のあり方について理解を深めてもらおうと柏崎市が企画したもので、290人が参加しました。
田中元委員長は、「福島第一原発事故の際、無理な避難に伴い多くの犠牲者を出した一方、放射線被ばくによる確定的な健康への影響は認められていない」と指摘。「自宅や最寄りの適切な施設などで屋内退避をするべきだ」と訴えました。
【元 原子力規制委員会委員長 田中俊一さん】
「複合災害時にどういう風に避難するのか。避難しないんだと。避難なんかしたら(復興が遅れて)ふるさとがなくなる」
田中元委員長は一方で、「行政と住民で屋内退避のあり方についてよく検討してほしい」とも述べました。