日本一怖いと話題のトイレ、花子さんも逃げ出すレベルだった 「誕生秘話」でさらに驚く…

『トイレの花子さん』などのエピソードを筆頭に、怪談の舞台として語られることの多いトイレ。
しかし以前X(旧・ツイッター)では、そんな花子さんですら裸足で逃げ出すレベルの「怖すぎるトイレ」に、称賛の声が寄せられていたのをご存知だろうか。
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今回まず注目したいのが、Xユーザー・サメ映画ルーキーさんの投稿したポスト。
「今日飲みに行ったお店のトイレがあまりによかった」と綴られた投稿にはトイレ内の写真が添えられており、なんとドアを叩き割って侵入しようとする中年男性と、包丁を手にして恐怖の表情を浮かべた女性が写っていたのだった。
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果たして、こちらのトイレで何が起こっているのだろうか…。
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一度見たら忘れられないこの光景を受け、即座にピンと来た映画ファンも多いだろう。こちらは、米国の映画監督スタンリー・キューブリックによる80年公開の映画『シャイニング』のワンシーンを忠実に再現したもの。

雪が降り積もる山上のホテルを舞台にしたホラー映画の傑作で、ジャック・ニコルソン演じるジャック・トランスが、斧で突き破ったドアから顔を出して「Here’s Johnny!」という台詞を発する該当シーンは、あまりに有名である。

なお、個人的にはジャックよりも、絶叫している妻(ウェンディ)の方がどう見ても怖いのだが…同作のファンならば、大勢が賛同してくれるに違いない。
こちらの「怖すぎるトイレ」はXユーザーの心を鷲掴みにしたようで、投稿から数日で1.5万件以上ものリポストを記録するほど大きな話題に。他のユーザーからは「こんなん、出るものも引っ込むわ!」「落ち着いてトイレできねぇ!」「クオリティ高すぎて笑った」「完全再現じゃないか…!」などなど、驚きと称賛の入り混じった声が寄せられていたのだった。
ポスト投稿主のサメ映画ルーキーさんに詳しい話を聞いたところ、こちらのトイレは映画『キラーコンドーム』を鑑賞の後、同作のポスターを手がけたアーティストであるロッキン・ジェリー・ビーン氏お気に入りの店舗を訪れた際、発見したものと判明。

そこで今回はX民を恐怖のどん底に叩き落としたトイレを有する、東京都渋谷区代々木の「cafe&DINE in “nope”」に取材を敢行することに。その結果、目を見開いたウェンディの「顔芸」以上に衝撃的な事実が明らかになったのだ…。

店内に足を踏み入れてまず目に入るのが、壁一面を埋め尽くすが如き勢いでディスプレイされた80年代カルチャーのグッズである。『シャイニング』に登場する双子の姉妹のパネルまで設置されており、件のトイレの投稿で店を知った身としては、否が応でもテンションが上がるというもの。

2019年8月18日にオープンしたnopeは、映画だけでなく音楽、企業など様々な「80年代カルチャー」をコンセプトを掲げた店で、オープンのきっかけは店主・moyaさんの「収集癖」にあったそう。

moyaさんは「自宅にコレクションを溜めすぎて『家に住めなくなってきたな…』と心配していたところ、その様子を見た友人が『博物館でも開いたら』と冗談で勧めてくれたのがきっかけで、nopeをオープンしました」と、のっけからパンチの効いたエピソードを披露してくれたのだ。

なお、こうしたエピソードや店頭の様子を見れば一目瞭然なので今更感もあるが…なんと、moyaさんは映画オタク(過激派)であることが判明。
話題のトイレをデザインした経緯について尋ねると「元々この物件はトイレが広いため、改築しやすい環境でした」「これだけ広かったら何でもできるな…と思い、当初は『シャイニング』の浴槽シーンに出てくる、ゾンビのような老婆を置こうと考えていました」と、斜め上すぎるエピソードが飛び出したではないか。
しかし件のシーンを忠実に再現するには、moyaさんを満足させるカラーリングの設備が見つからずに断念。そして、今回話題となった「例のシーン」を再現することを決めたのだ。

なお、トイレ改築に至るまでの「ガチぶり」は半端でなく、moyaさんの口からは「トイレ周辺のカーペットは、多数の映画グッズを取り扱っているJETLINK様に相談して、特注で製作頂きました」「ドアノブ、ドア、壁の塗装は当時のホテルの雰囲気を出すため、業者さんに『絶対に手塗りで』とお願いしました」などなど、ぶっ飛んだエピソードが次々と語られていく。

リノベーションに当たった業者からは不満の声も上がったが、生粋の映画オタク(過激派)であるmoyaさんは「実際に作品を見てもらおう」と謎の発想に至り、担当者らに『シャイニング』のDVDを貸し出す「布教活動」を実施。

その甲斐あってか業者も納得し、非常にクオリティの高い「恐怖のトイレ」が完成したというワケである。なお当然、トイレの改築・改装にはかなりの費用がかかっており、「(店の)他の設備や改装を全部含めた金額より、トイレにかけたお金の方が高いです」と、思わず耳を疑う発言が…。
しかし過激派オタクのmoyaさんからすると、まだまだ改善の余地があるようで「億万長者になったら、トイレの細かい部分を改装したいです」と向上心あふれる、オタクの鑑のようなコメントが得られたのだった。
自慢のトイレは利用客からも好評(?)で、「初めて来店される方は、大体トイレで悲鳴を上げていかれますね」「ときには『怖すぎる』という理由で、隣のお店のトイレを貸して頂くこともあります」とのこと。これほどにもツッコミが追いつかない取材は初めてである…。

トイレの話題にばかり注目が集まったが、前出のようにnopeはその他の内装も充実した、非常に魅力的な空間。

飲食メニューも絶品揃いで、マカロニチーズ、チリビーンズ、マッシュポテトからなる「MCMプレート」はクセになる味わいと、ガッツリ感が最高であった。

取材終わりに「トイレ以外もスゴいので、ぜひ遊びに来てください」「トイレの廊下は、ぜひ生で見てほしいです」とのコメントを寄せてくれたmayaさんに、映画好きであれば誰もが「難問」と頭を抱える「好きな映画ベスト5」について尋ねてみることに。

すると『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』『ダイ・ハード』『ロッキー』シリーズ(特に4)、『ウォッチメン』『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』といったタイトルが挙げられたのだった。

8月31日までは「4周年キャンペーン」を実施しているとのことで、こちらも見逃せない。中毒性の高い、唯一無二の空間であるnopeに、ぜひ一度は訪れてみてほしい。

なお、店舗では「貸切営業」も珍しくないため、XやインスタグラムなどSNS各種からスケジュールを確認しておこう。貸切予約の際は、XのDMにて対応しているとのこと。
【店舗詳細】

「cafe&DINE in “nope”」
東京都渋谷区代々木1丁目48-7 ヴェラハイツ代々木 2F
今日飲みに行ったお店のトイレがあまりによかった pic.twitter.com/imTO9vU1UF
サメ映画ルーキー (@Munenori20) August 5, 2023
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。