世界初とされる“産卵”の撮影に成功…成果を上げる『子どもヤマビル研究会』教わるのでなく自ら探る場に

三重県いなべ市では、子供たちが「ヒル」の研究に夢中になっていて、世界初ともいわれる貴重な“卵を産む瞬間”をとらえる成果を上げました。 夏休みの研究室に集まった子供たちが「ヒル」の重さを測ります。
中学1年の宮本さん:「増えてるよ、ちょっとやけど。良かったな増えとって、60mg。ヒルがカエルの血を吸ってるというのは本当で、ちゃんと吸ってるっていう結果も得られたので、証明できたな」 彼らは子どもヤマビル研究会、通称「ヒル研」。山などにいて人の血を吸うヤマビルについて、日々研究を重ねています。
子どもヤマビル研究会の樋口大良さん(76):「ヒルというのは非常に面白い生き物で、嫌われ者の一番最たるところなんですけどね。どれだけ捕っても文句言われないですし、教材にならないかなってずっと昔から思っていたことですね」 研究会は2011年に発足し、現在は小学生から高校生の5人が参加しています。高校1年の碓井さん:「ヒルの動くところがかわいくて魅力的だと自分は思います」
中学1年の宮本さん:「絶対にみんな知らんことやし、自分が学ぶことにもなるから楽しいですね」 子供たちは、夏休みの主に週末に集まって研究を続けました。ノートをとったり、実験結果を議論するなど、真剣そのものでし。そして2023年6月、“世界で初めて”とされる発見をしました。高校1年の碓井さん:「今まで分からなかったヒルが卵を産む瞬間を撮影できました。ヒルの首辺りから出ているんですけど、真ん中らへんがちょっと白く濁っているんですけど」
卵を産む瞬間の映像をみてみると、最初は透明な泡だったのが、徐々に白く濁ってきました。これがヒルの卵です。高校1年の碓井さん:「これは自分が7年間追っても見られなかったことだったので、めっちゃ嬉しいです」 ヒル研では、過去には別の発見もありました。 これまでヒルは、木の上から落ちてきて人間の血を吸うと思われていましたが実は間違いで、本当は落ち葉の下などにいて、人間の足に上ってくるのです。
山の中で1日3時間、体を張ってヒルをおびき寄せる調査を繰り返し、俗説を覆す新事実として、大学教授らが集まる場で発表しました。
小学5年の吉村さん:「ヒルってなかなか研究されてない生き物じゃないですか。研究したことが全て新しく分かることだから、面白いと思っています」中学1年の宮本さん:「生態系の中でどういうふうにヒルが役に立っているのか知りたい」 柔軟な発想を持った子供達の好奇心は、ますます膨らみます。
子どもヤマビル研究会の樋口大良さん(76):「ヒル研というのはヒルのことを教える所ではないんです。分からないことを自分で探っていく、見つけたら新発見になって、俺はこれをやったんだというものが一つ一つ身に付いていく、そういうところがヒル研の一番の魅力かなと思います」