救急車が事故、搬送9分遅れ 白井の女性、病院で死亡 下車時ギア「P」に入れず 印西地区消防、因果関係を調査

印西地区消防組合消防本部は25日、119番通報を受け出動した救急車が事故を起こし、白井市の70代女性の搬送が約9分遅れたと発表した。女性は搬送先の病院で死亡が確認されており、同本部は搬送遅れと死亡の因果関係を調査している。
同本部によると、24日午後3時ごろ、女性の依頼を受けた近隣住民から「女性が胸が痛いと言っている」と119番通報があった。約20分後に印旛消防署(印西市)の救急隊が女性の自宅に到着したが、運転していた隊員が救急車のギアを「パーキング」に切り替えずに下車し、救急車は動き出して、前方に駐車中の軽自動車に接触した。
3人の救急隊員は女性の救急処置を継続し、同行していた消防隊員が別の救急車に出動を要請した。女性は午後4時ごろ、ドクターヘリに待機していた医師に引き渡され八千代市内の病院に搬送されたが、同日中に死亡が確認された。
女性は搬送時、意識があり呼びかけには反応していたという。ドクターヘリは午後3時51分に待機場所に着陸していた。同本部は詳しい状況を調べるとともに、職員に安全運転要領の再確認を求めるよう通知した。
山下浩一消防長は「搬送時間の遅延はあってはならないことで大変申し訳なく、再発防止に努める」とのコメントを出した。