車のバッテリー上がりで高額請求か 復旧サービスの男2人逮捕 市場価格の倍以上

車のバッテリーを有料で復旧する際に、クーリングオフ書面を渡さなかったなどとして、愛知県の男ら2人が逮捕されました。男らは市場価格の2倍以上の額を請求していたと見られています。
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(JAF 名古屋東基地 中谷優太班長)「バッテリーの電気が取られて上がっている状況」エアコンを使う夏場に多い車のトラブルは「バッテリー上がり」。ロードサービス会社のJAFには処置を求める依頼が次々と舞い込みます。しかし、このバッテリー上がりの復旧サービスをめぐって逮捕者が。
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警察によりますと逮捕されたのは愛知県春日井市の森貴矢容疑者(32)と福岡県の荒川宏斗容疑者(26)です。森容疑者らは車のバッテリー上がりの復旧サービスを提供する会社の従業員で、ことし6月、名古屋市でバッテリー上がりの復旧サービスをした際に依頼した44歳の女性にクーリングオフ制度を通知しなかったなどの特定商取引法違反の疑いがもたれています。
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警察は森容疑者らのサービスを訪問販売とみなしていて、2人は義務付けられているクーリングオフの通知をせず、名刺や領収書を渡すだけだったということです。ことし2月に利用客から「バッテリーの交換代が高額だった。かなりの悪質業者」などと警察に相談があり今回の逮捕に至りました。警察は2人の認否について明らかにしていません。
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逮捕された男らが関係している会社は、バッテリーの復旧サービスが専門の「バッテリー上がりSOS」。インターネットで「バッテリー上がり」と検索するとすぐに表示されます。ホームページには「最速5分で到着!3980円から」の文字が。「早い、安い」の売り文句がならび、サービスを受けた利用者も多いといいます。クレジットカードの支払い履歴を見せてくれたのは、東京都の30代の男性。請求金額は2万7500円です。男性はホームページを見て申し込みましたが、バッテリー上がりの対応だけで最初は4万円近くを請求されました。男性が「払えない」と訴えると1万円以上減額されたといいます。捜査関係者は「請求される金額が数万円のため、そのくらいなら…と警察に被害を届け出ない人が多いのではないか」と話します。
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さらに、バッテリーを本体ごと交換されて高額を請求をされた人たちが。(高額請求を受けた女性)「9万9000円という領収書が目に入った。請求書も出されていないし、領収書だけを出された」(高額請求を受けた男性)「基本点検施工費が1万5000円。出張費が1万7000円。バッテリー本体が2万円。消費税込みで5万7000円。(バッテリー代)2万円はないだろうと思ってその場で調べたら、7000円くらいのすごい安いもので」男性はサービスを受けた後も業者に「値段がおかしいのではないか」と何度も電話をしましたが、対応してもらえなかったといいます。
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我々はホームページに記載された東京都にある運営会社を訪ねることに。(当麻葵 記者)「ホームページに記載された住所に来てみたが、今は違う会社に」(近所の人)「(新しい会社が入ったのは)1、2ヶ月前。改装作業をしていた」Qその当時何があった?「何もなかった」電話もつながらず実態のない会社なのか、泣き寝入りする被害者も多いといいます。
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国民生活センターによりますと、インターネットで依頼したバッテリー上がりなどのサービスに関する相談は去年、5年前に比べておよそ18倍に増えています。そもそも「バッテリー上がり」の適正価格はいくらなのか。JAFにはこの時期、バッテリー上がりの相談が次々と入ります。(JAF 名古屋東基地 中谷優太班長)「夏場はエアコンで消費電力が増える。もともと弱っているバッテリーやあまり距離を乗らない充電不足の場合、バッテリーが上がるケースが多い」
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JAFによりますとバッテリー復旧の標準価格はおよそ1万3130円で、今回、摘発された会社に被害者が払った額のおよそ半分です。警察は、この会社から高額請求をされた人が全国に多数いるとみて捜査しています。