スマホの画面が割れたら、メーカーに修理依頼? プロが教える『おすすめの対処法』が助かる

みなさんはスマートフォンを大事に使っているでしょうか。今やスマホは生活必需品のようになっており、使えなくなると困りますよね。
しかし、落として画面が割れてしまうこともあるはず。
軽微な損傷なら「仕方ない。このまま使おう」となるかもしれませんが、バッキバキに割れたらどうすればいいのでしょうか。
このような時の対処法について、スマホ修理サービスを提供している『スマホ修理王』の上野御徒町店に勤める倉園結店長に話をうかがいました。
倉園店長はスマホ修理を担当して4年のプロです。
倉園店長。顕微鏡は基板をチェックする際に使用するそう。
倉園店長によると、スマホを落として画面が割れた場合、例えそれが軽度の割れであっても甘く見ないほうがいいとのことです。
スマホの画面はガラス板の下に基板があり、割れたところから、水分やほこりなどが侵入して基板が傷付く可能性があります。
「ちょっと見づらいだけ」と思っていても、基板が傷付くと操作できなくなる可能性があります。操作できなくなると、大事なデータを取り出すこともできません。
また、バッキバキに割れたといった重度の損傷を受けた場合には、「とにかく早く修理するのがお勧め」だそうです。
ちなみに、画面の損傷について、『スマホ修理王』では以下のように定義されています。
・軽度の画面の損傷とは、軽くガラスが割れている程度で、全体的に問題なくタッチ操作ができ、液晶に異常(にじみ、変色、タテ筋など)も見られない状態を指します。
・重度の画面の損傷とは、重度のガラス破損、液晶の異常(にじみ、変色、タテ筋などがある状態)、タッチ操作ができない、タッチ切れしている状態を指します。
重度の損傷の場合には、スマホを分解して、基板の損傷をチェックし、交換が必要な部品を入れ替え、ガラス板をはめ込むという作業が必要になるのです。
スマホの画面がバッキバキに割れた場合、「すぐメーカー修理だ」と思うかもしれませんが、いったん落ち着きましょう。
というのは、メーカー修理に出すと、本体自体を新しく取り替えておしまいというケースが往々にしてあるそうです。
こうなると、そのスマホに格納していた写真などのデータはサルベージ(※)されません。
※不具合によりデータの読み出しができなくなったストレージ機器から、データを取り出すこと。
倉園店長にうかがったところ「iPhoneの場合は一部修理も行っているようですが、Android端末の場合は新しい本体を渡されるというケースが多いと聞いています」とのこと。
メーカー修理に出す場合には、本体に格納したデータはどうなるのか、サルベージできるのかを確認する必要があります。
また、メーカー修理の場合には戻ってくるまで数週間、長くて数か月ということがあります。
※写真はイメージ
『スマホ修理王』の場合には、部品の在庫があれば即日修理も可能とのこと。ただし、データのサルベージについては基板が壊れていないかなどによるので、一概にはいえないそうです。
画面がバッキバキに割れたという場合には、『スマホ修理王』では上記のとおり、重度の損傷と認定しています。
修理にいくらかかるのかが気になるところですが、倉園店長によると、「例えば古い機種の『iPhone6 SE』では税込み6800円、『iPhone14 Pro Max』では税込み88000円といった感じです」とのこと。上記のとおり、部品があれば即日修理も可能だといいます。
ただし、損傷の状態によるのであくまで参考価格だそうです。
また、最新機種では有機EL(※)を用いており、この場合デバイスが高価になるのですが、予算に合わせて(互換パネルとして)液晶にすることもできるそうです。ただし、どうしても発色は劣ってしまうとのこと。
※有機エレクトロルミネッセンスの略で、電圧をかけると有機物が発光する現象。
最後にスマホの画面が割れないためにどうすればいいのかを倉園店長にうかがったところ、このようなアドバイスがありました。
保護用のフィルムを貼ることとコーティングを行うことをお勧めします。
コーティグは本体の強度を上げてくれますし、フィルムはそれ自体が壊れることで画面が割れるのを防いでくれます。
さらに「スマホをケースに入れることも大事ですし、中身がごちゃごちゃした鞄の中に入れないようにするといいですね」とのこと。鞄の中で硬いものにぶつかって損傷を受けることがあるので注意してください。
ちなみに、修理で持ち込まれるスマホは、画面割れとバッテリー交換がもっとも多いとのこと。
まれに「音量調節のボタンなどが凹んで戻らない」といった修理依頼もあるそうです。
スマホの調子が悪くなってしまったら、修理サービスを利用してみるのがいいかもしれませんね。
『スマホ修理王』上野御徒町店
[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]