ボランティア本格始動 各地から続々集結 家財搬出、清掃に汗 台風13号大規模浸水被害の茂原

台風13号に伴う記録的な大雨の被災地でボランティアの活動が始まっている。多くの住宅が浸水被害に遭った茂原市では13日、ボランティア74人が駆け付け、住宅19棟で水に漬かった家財道具を次々と運び出し、泥をかぶった床を清掃した。「被災して大変だったと思う」と、厳しい暑さの中で作業に汗を流すボランティアに、被災者は「本当に助かった」と感謝した。
同市は、県内で最も多い住宅249棟(12日時点)で床上・床下浸水が確認されている。市総合市民センターに設置された災害ボランティアセンターには、受け付け開始の午前9時の時点で多くのボランティアが集結。受け付けを済ませると、約5人ずつのグループに分かれ、それぞれ依頼があった住宅に向かった。
その1軒、カラオケ講師、三浦澄夫さん(74)が住む同市早野の平屋建て市営住宅は床上10~20センチほどまで浸水。8日午前中に避難して自身は無事だったが、バッグなどの日用品が水に漬かり、床は砂まみれになった。
翌9日から片付けを始めたものの、自宅にはキーボードやステレオなど仕事で使う重い音楽機材が多く、「1人ではどうにもできなかった」と避難所に身を寄せていた。この日はボランティアが順々に家財道具を運び出し、床を掃除。三浦さんは「困っていたので、本当に助かった」と喜んだ。
三浦さん宅を片付けた松戸市、無職、西俣良光さん(56)は3度目の災害ボランティア。「床上まで浸水し大変だったと思う」と気遣い「年齢など関係なく、同じ目的を持って助け合えるのがボランティアの良いところ。まだまだ要請が多いようだから頑張りたい」と汗を拭った。
市社会福祉協議会によると、住民からの依頼を基に住宅約50棟にボランティアの派遣を予定。担当者は「平日ということもあり、初日の目標にしていた21棟への派遣には届かなかった。週末の3連休はより多くの人の協力が期待され、ボランティアが完了するめども立つのではないか」と話した。
ボランティアの参加受け付けは午前9時~11時。県内在住の個人が対象で、同会は団体で参加の場合は事前連絡を求めている。被災住民からの作業依頼の受け付けは同会(電話)0475(23)1969。