「ゴーヤーは皮をむいて食べるの?」と聞かれた30年前 「わしたショップ」が振り返る沖縄の認知度の変化

沖縄県産品を取り扱う「わしたショップ」を運営する県物産公社(那覇市、比嘉徹社長)が10日、創立30周年を迎えた。沖縄物産の安定的な供給体制の確立と県外市場の開拓を目的に、官民の共同出資で1993年に設立。県内外で県産品の魅力を発信してきた。沖縄ブームの動向などで総取扱高は増減し、コロナ禍では大打撃を受けた。ウィズ・アフターコロナ時代を見据え、V字回復へ経営改善に取り組んでいる。(政経部・知念豊)
関連記事予想以上のにぎわい! 銀座わした新店、本格オープン すぐに売り切れた人気商品も | 沖・・・ 【東京】JR有楽町駅前の東京交通会館(東京都千代田区)に移転した銀座わしたショップ本店が1日、本格オープンした。・・・www.okinawatimes.co.jp 物産公社は「わしたショップ」の直営店を県外で5店舗、県内は2店舗運営している。2月1日には銀座わしたショップ本店を有楽町に移転オープンし、多くの客でにぎわうなど好調なスタートを切っている。
開業当初は「ゴーヤーは皮をむいて食べるの?」と聞かれるほど沖縄の認知度は低かった。だが、NHKの朝ドラ「ちゅらさん」が放映された2000年代前半に沖縄ブームが起きた。県産品は注目され、売り上げも急増した。
初年度に10億円だった総取扱高は、04年度のピーク時は約86億円までに伸長。ゴーヤー茶やもろみ酢、ウコン、ノニなど健康食品を中心に、県産品が飛ぶように売れた。

ブームは次第に過ぎ去り、11年の東日本大震災後は百貨店での「沖縄フェア」など華やかなイベントも自粛傾向に。売り上げは低迷し始めた。
業績回復を目指し、16年度から第1期経営改善計画を開始。19年度までは総取扱高も上昇傾向だったが、最終の20年度に今度はコロナが直撃した。全店舗が約1カ月も休業するなど資金繰りも厳しくなり、総取扱高は約37億円とピークの半分以下に減少した。
ようやくコロナ禍が収まり、21年度からは計画の第2期もスタート。総取扱高は41億円と回復。22年度は復帰50年の節目とNHK朝ドラ「ちむどんどん」の放映で、再び沖縄にスポットが当たった。
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比嘉社長は「浮き沈みを経験した30年だったが、これからも県産品と沖縄の魅力を、わしたショップから伝えていきたい」と語った。