“官製談合”の疑い 新潟県職員ら3人逮捕 工事入札巡り予定価格など漏らし公正な入札妨害した疑い

新潟県新発田市での区画整理工事をめぐる官製談合の疑いで、新潟県警は20日、県新発田地域振興局の農村整備部長と、建設会社役員ら、あわせて3人を逮捕しました。

【記者リポート】
「新発田市地域振興局です。こちらの農村整備部長が談合に関与し逮捕されたということです」

20日、官製談合防止法違反などの疑いで逮捕されたのは、県新発田地域振興局農村整備部長の鶴巻博文容疑者と、建設会社・岩村組顧問の本田任容疑者、岩村組役員の本間正明容疑者です。

鶴巻容疑者は今年6月22日に行われた新発田市松浦地区の区画整理工事の入札を巡り、事前に予定価格や参加業者などの秘密事事項を本田容疑者に漏らした疑いがもたれています。

【記者リポート】
「新発田市の岩村組。現在エントランスは明かりが消えていて、中の様子を伺うことはできません」

一方、岩村組の本田容疑者と本間容疑者は鶴巻容疑者から教えられた予定価格をもとに落札率93.8%の1億200万円で落札、公正な入札を妨害した疑いが持たれています。

【岩村組社員】
「私は現場の人間なので、こちらにあまり来ていないので、わからないですね」

多くを語らない岩村組の関係者。一方、県新発田地域振興局の阿部久紀局長は

【新発田地域振興局 阿部久紀 局長】
「新発田地域振興局の職員が、談合の疑いで逮捕されたということを聞いて、まずは驚きました。これから警察の捜査にしっかり協力しながら、局としても状況の把握に努めていく」

去年4月、農村整備部長に就任したばかりの鶴巻容疑者は、過去にも新発田地域振興局の農村整備部で勤務していて勤務態度に問題はなかったと言います。

【新発田地域振興局 阿部久紀 局長】
「局長として鶴巻部長と、いろいろとやりとりはこれまでもあったが、お願いしたことに対しては適宜、十分に対応してきていただいたという印象」

花角知事は「今回の件は公共工事に対する県民の信頼を揺るがすものであり、事実とすれば誠に遺憾。職員の法令遵守の徹底を図り、県民の皆様の信頼回復に取り組んでいく」とコメントしています。

警察は3人の認否を明らかにしていませんが、どちらが談合を働きかけたかなど余罪も含め捜査しています。