中古車チラシに「特級呪物」が出現、完全アウトと思いきや… 神対応すぎる正体が判明

「事実は小説よりも奇なり」を地でいくスタイルで、多くの人々に衝撃を与えたビッグモーター。
なお現在X(旧・ツイッター)上では、同社からインスパイアを受けたと思しき中古車店の「目を疑うプラン内容」に、注目が集まっているのをご存知だろうか。
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今回まず注目したいのは、Xユーザーのモブヘーナさんが投稿した1件のポスト。
「たぶんこのプランも急ごしらえの気しかしない」と意味深な1文の綴られた投稿には、新聞の折込チラシの画像が添えられている。どうやら中古車店のチラシのようなのだが、注目すべきはそのプラン名と特典。
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「BMプラン」と銘打ったプランには、見積もり特典として「ゴルフボール」「靴下」「除草剤」がそれぞれ進呈される旨、記載されていたのだった。
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なお、それぞれの特典には「ゴルフでご使用ください」「履いてください」「私有地でのみご使用ください」といった、珍妙な注意書きが表記されているのがポイント。
三種の神器…いや、特級呪物を携えた「BMプラン」は、どう考えても某社名の略称と思いきや「ベストマネジメントプラン」の略とのことで、それならばギリギリセーフである。
あまりに攻めた内容のプランは人類に多大なる衝撃を与えており、件のポストは投稿から数日で1万件以上ものリポストを記録。他のXユーザーからは「正しくこれは、草生える」「こういうブラックユーモア、嫌いじゃないです」「スターターセットかよ」「やっぱ、業界全体がブチ切れてるんだろうな…」といった反響の声が多数寄せられていたのだった。
そこで今回はポスト投稿主・モブヘーナさんにチラシの詳細を確認し、同プランを実施する中古車店に詳しい話を聞いてみることに。その結果、あまりにベストマネジメントすぎる真実が明らかになったのだ…。
BMプランが誕生するに至った経緯をめぐり、同店の担当者は「昨今、物価高の影響で地域の皆様の生活も苦しくなってきている中、我々の扱う自動車という商品は価格も高く、買い控えられる傾向にあります。ただ私たちの住む地域は電車は1時間に数本で、バスの路線も限られており、車は贅沢品ではなく生活必需品です」と、地元・青森県の環境について説明する。
続けて、「生活が苦しい中、必要な車を買おうとしても誰もが現金を持ち合わせているわけではなく、自動車を買うためにローンを組む必要のあるケースもございます。しかしながら、中にはローンが組みたくても組めない人もいらっしゃいます」「当社のプランは誰にでも分割払いを認めるわけではないですが例えば、生活を立て直すために仕事を始めたいが、通勤するために車がどうしても必要な人など『これから頑張っていこう』という人の助けになれれば、といった思いで始めました。そのため、もちろん金利も頂きません」と、同プランに込めた思いについて語ってくれたのだ。

そしてプラン名を決定するに当たり、営業間での会議であがった候補の中に、件の「BMプラン」が入っていたワケである。その際に「せっかくならば、暗い話題ばかりの業界に、少しでも笑えるネタになれば…」という思いから、成約特典として件の3点セットを決定したのだ。
ビッグモーターに続きネクステージでも不祥事が発覚し、暗いニュースが続く中古車業界。今回のプラン名や特典を受けて「不謹慎」と感じた人もいるかと思うが、記者個人としては「ユーザーに後ろめたい行為を一切していないからこそ、ここまで振り切れる」という、言わば信頼の証左ではないかと感じている。
同店の担当者から「(一連の不祥事による)風評被害も多少はありましたが、特段ビックモーターさんに怒りを覚えているわけではありません」「ただ、業界が盛り下がっていることには多少の憤りは感じているものの、私たちの小さな会社が業界全体を変える力は持ちえないので、せめて『地域の方々にクスっと笑って頂ければ嬉しいな』と思い、今回のチラシを打ち出しました」と、業界各社を代弁するかのようなコメントが得られたのが印象的であった。
なお、同プランについての問い合わせは数件入っているものの、成約に至ったのは(25日午前時点で)まだ1件のみ。担当者は「プランの浸透には、まだまだ時間がかかりそうです」とも呟いていた。興味のある人はぜひ、相談だけでもしてみてはいかがだろう。
たぶんこのプランも急ごしらえの気しかしない pic.twitter.com/4iuX16gCg7
モブへーナ (@hajime0912) September 22, 2023
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。