LIFULLは2月10日、中部圏版の「2023年 LIFULL HOME’S みんなが探した!住みたい街ランキング」を発表した。調査は2022年1月1日~12月31日、LIFULL HOME’Sに掲載された中部圏(愛知県、岐阜県、三重県)の賃貸・購入物件のうち、問合せの多かった駅名を集計した。
中部圏版「借りて住みたい街」ランキングでは、岐阜県の「岐阜」が圧倒的な支持を集め、5年連続で1位を獲得。2位および3位も3年連続して「豊橋」(愛知県)と「岡崎」(愛知県)が順位を維持し、ここ数年名古屋市以外の“衛星都市”がベスト3を独占する結果に。
以下、4位「新栄町」、5位「藤が丘」、6位「鶴舞」、7位「豊田市」、8位「中村公園」、9位「一社」、10位「今池」と続き、1位の「岐阜」以外の9つが愛知県だった。
首都圏および近畿圏と比べると圏域がコンパクトに構成されている中部圏は、“職住近接”が実現しやすいという利点があり、コロナ禍でも移動に時間や乗り換えなどの負荷がかかりにくく、敢えて中部圏の郊外方面に転居するという動機には基本的には繋がりにくいよう。それでも賃貸ユーザーの多くが「岐阜」「豊橋」「岡崎」を支持するのは、専ら生活コストと移動時間とのトレードオフによるものと考えられる。
中部圏版「買って住みたい街ランキング」では、2020年に48位だった愛知県の「名古屋」が2021年以降3年連続して1位を獲得。全国有数の事業集積地である「名古屋」を最寄り駅とする住宅はこれまで想定できなかったが、2020年以降は「名古屋」を最寄り駅とするマンションが継続して分譲されている。
また、2位は2年連続で「岐阜」(岐阜県)が、3位には前回4位の「伏見」(愛知県)が続き、中部圏での“住みたい街覇権争い”はここ数年「名古屋」vs「岐阜」の構図となっているのがうかがえる。
以下、4位「久屋大通り」(愛知県)、5位「岡崎」(愛知県)、6位「名鉄岐阜」(岐阜県)、7位「藤が丘」(愛知県)、8位「金山」「高蔵寺」(ともに愛知県)、10位「吹上」(愛知県)と続き、前回までは主に「名古屋」中心の居住ニーズが高まる状況にあった中部圏だが、コロナ禍が長期化し物価上昇傾向が強まるなかで、“意向の郊外化”が発生しているよう。状況としては「名古屋」とその周辺エリア、および「名古屋」からある程度離れたエリアにある“衛星都市”との“二極化”の兆しが見て取れた。