自分に勝ち五輪切符を…鈴木亜由子『MGC』へは“温故知新”で「小さい頃の躍動感ある走りでマラソンを」

10月15日に行われるパリ五輪選考会・MGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ)に、愛知県豊橋市出身の鈴木亜由子選手が出場します。東京五輪での葛藤を乗り越え、“原点回帰”してパリ五輪への切符を掴みます。 鈴木選手は13日、東京で開かれたMGCへの記者会見に出席し、「自分に勝つため」の練習をしてきたと、意気込みを語りました。鈴木選手:「勝ち切る脚力。速さもやはり必要ですので、そこは自分に壁を作らずに、積極的にペースを上げて練習を行ってきました。ベストを尽くしたいと思っています」 2021年の東京五輪では19位で、「失敗を恐れず攻められたら」と当時のことを話します。鈴木選手:「あの状況の中ではベストは尽くしていたと思うんですけど、もうちょっと失敗を恐れずに攻められたのかなという思いが湧いてきて、それが本当につらかったので」
東京五輪後はしばらくの間、心の葛藤に苦悩した時期もあったといいますが、翌年の2022年元旦、鈴木選手は絵馬に「温故知新」と記しました。
鈴木選手:「もう一回原点回帰じゃないですけど、新たなやり方とかつかんで、次に進みたいなという思いで」 鈴木選手は中学時代、地元の豊橋市で“天才ランナー”と称されていました。
時習館高校に進学した時は大きなけがに悩まされ、名古屋大学に進学した後もずっと走り続け、今年で32歳となりました。 新しい一歩を踏み出すために行きついた答えは「自分に勝つこと」だといいます。
鈴木選手:「高橋尚子さんとか野口みずきさんとかって、間違いなく怪我をしてもいいからメダルを取りにいく、そういう気持ちでやっていたという話を聞くんですけど。そこまでの強い気持ちが、足がぶっ壊れてもいいから取りにいくんだというのが、そういうのはなかったのかなって」 鈴木選手は大会直前の9月まで、アメリカ・ボルダーで高地合宿を行っていました。 高橋昌彦監督は、ケガのリスクを恐れずマラソンで勝負する“強い思いを感じた”といい、「今までで一番の練習が出来た」と話しました。
鈴木選手:「小さい頃の躍動感ある走り、やっぱりああいう走りでマラソンを走りたいなって思っています」 自分に勝ってパリへの切符をつかめるのか。MGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ)は、10月15日に行われます。