ナニコレ!? JMSで業界注目「異様に完成度の高いナゾの車」とは? 驚きの技術満載「詰め込んだらこうなった」

ジャパンモビリティーショーでは、大手自動車メーカー以外も様々な車両を出品していますが、そのなかで部品メーカーがつくった“異様に完成度の高いクルマ”に注目が集まっています。実際に走行が可能で、新機軸の技術も多数盛り込まれているようです。
「めちゃくちゃかっこいいじゃん!」「完成度高くない!?」
ジャパンモビリティーショー2023(一般公開日:10月28日~11月5日)では、大手自動車メーカー以外も多数の車両を出品していますが、そのなかで、ある部品メーカーが製作した車両が完成度の高さで現場の注目を集めていました。機械部品大手のTHK(東京都港区)が世界初公開したEV(電気自動車)プロトタイプ「LSR-05」です。
ナニコレ!? JMSで業界注目「異様に完成度の高いナゾの車」…の画像はこちら >>THKのコンセプトカーLSR-05(乗りものニュース編集部撮影)。
LSR-05は、日産で長年にわたり車両デザインに関わっていた中村史郎氏率いるSN DESIGNが担当したクロスオーバー4シータークーペで、実際に走行も可能。内外装ともに質感高く、業界関係者を驚かせました。THKブースでは自社で手掛ける様々な自動車パーツが展示されていますが、説明員曰く、「それらを全て詰め込んでカタチにしたもの」だとか。
新機軸の一つに、「ステルスシートスライドシステム」が挙げられます。このクルマは床上にシートスライドのためのレールが見当たりません。レールは床の接合部に隠されており、そのレールと、シート座面内部のレールとを組み合わせて連動させることで、「コンパクトでありながら、ロングストロークが可能」だそうです。
さらに、このクルマにはブースでも展示されていた「非接触給電システム」が搭載されます。
ブースには非接触給電システムの受電装置として、野球のホームベースほどの金属の1枚板(長方形)が展示されています。これを車両の床下に設置し、道路下に埋め込まれた送電側のコイル類との間で磁界を発生させ、走りながら充電する将来像を見越しているのです。
走行中給電では、道路面と車両の受電装置との間隔が重要で、離れすぎると効率が落ちると言われています。実際の公道には様々な障害がありますが、このクルマは自社開発のアクティブサスペンションにより自動で車高調整が可能で、非接触給電時には車高を下げて受電装置を道路面に近づけて走行することを想定しているそうです。
EVの非接触給電をめぐっては、この10月に東京大学のチームが公道での実証実験を始めたばかり。道路側のインフラをどう整備していくのかなどの課題はありますが、世界でも同様の研究が進められているといいます。
THKは今後、この車両を用いて様々な技術実証を行っていく構えです。