無人タクシーが女性ひき逃げ事故に関与し一時営業停止 過去には犬を…

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アメリカ・カリフォルニア州で自動運転の無人タクシーを提供している「クルーズ社」が、ひき逃げ事故に遭ったとみられる女性を覆うように車両を停止させていた。
地元陸運局は何らかの関与があったとみて、クルーズ社に一時の営業停止を命じたことを『INDEPENDENT』がレポートした。

ゼネラルモーターズ(GM)の傘下にあるクルーズ社は、約10年間の開発を経て2022年6月より無人タクシーのサービス「クルーズ」を開始した。
同サービスを利用するには、専用アプリで行き先を入力し、あらかじめ登録したクレジットカードで支払いを自動完了させる。ごく簡単なフローとなっている。
配車サービスのUberなどでは、運転手へのチップを加算する必要があるが、無人タクシーには不要だ。乗車金額は2キロが約9ドル(約1,300円)で、有人配車サービスとほとんど変わりはない。
またクルーズ車両はシートベルトを締めないと発進はせず、緊急停止ボタンの装備もあるため、安全に考慮した作りになっている。

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しかし10月の初め、道路を横断中の女性がひき逃げに遭った。通りがかった一人の男性が、女性が路上に倒れているのをみつけ、警察に通報。女性は、そこに1台だけ止まっていたクルーズ車両の下敷きのような状態だったという。
事故発生時に目撃者がいなかったため、クルーズ車両に搭載されているカメラの解析が行われた。すると女性にぶつかったのは黒っぽい車で、その横を走っていたのがこのクルーズ車両だったことが判明した。
クルーズ車両は事故を感知して停止しており、ゆっくりバックした際に、女性が車の下に入ってしまったのではないかと当局は推察している。

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クルーズ社が州に提出した資料によると、今年1月から7月にかけて、クルーズ車両は一時的に177回停止していたという。
サンフランシスコ市交通局の調べでは、2022年4月からの1年間で、クルーズ社とアリゾナ州の無人タクシーであるウェイモが、合わせて300件以上の予期せぬ停止や衝突などの不正事故を起こしたと、報告している。
また昨年、クルーズ社の全車両と20分間にわたりコンタクトが途絶える事態が起こり、定期的に位置情報などを失うと内部告発した従業員もいた。さらにサービスを開始から、犬のひき逃げやラッシュアワーに2キロ近い渋滞を引き起こしたといった問題も、注視されている。

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クルーズ社をはじめとする無人配車サービスの会社は、今年8月にアシスト運転手をつけず24時間365日運行するという許可を得た。
しかし、自動運転車両の安全性については、議論が交わされている渦中だったため、規制当局は公共の安全に対するリスクがあるとして、許可の撤回も視野に入れると示唆した。
また市の交通局長は、「クルーズやウェイモは決定的な交通ソリューションではない」と言及している。