はだか祭の神事に初めて女性が参加へ 長年の慣習破って 神社は「コロナ禍前の賑やかさを取り戻したい」

“天下の奇祭”として知られる愛知県稲沢市の国府宮(こうのみや)はだか祭の神事に、初めて女性が参加する見通しであることがわかりました。毎年2月に国府宮で行われる「はだか祭」は、下帯姿のはだか男たちが激しいもみ合いを繰り広げる稲沢市の伝統神事です。
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神社によりますと、もみ合いの前にはだか男たちが、布で包んだ笹を担ぎ境内へ駆け込む「儺追笹奉納(なおいざさほうのう)」の神事に、来年初めて女性が参加する見通しであることがわかりました。長年の慣習で原則、着衣での奉納が許されず女性は参加できませんでしたが、地元の女性団体から相談があり神社が対応を検討。6日、地元の関係機関でつくる連絡会で報告されたということです。安全確保のため、女性は服を着た上で、男性とは時間を分けて参加する方針です。
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また、コロナ禍で設けた人数制限を撤廃することも決めています。神社は「女性参加の相談があったのも時代の流れであり、コロナ禍前の賑やかさを取り戻したい」とコメントしています。来年の国府宮はだか祭は、2月22日に行われます。
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「はだか祭」の神男(しんおとこ)経験者で、今回のやり取りにも関わったという男性に話を聞きました。
(国府宮鉄鉾会 津田敏樹さん)Qこの話はいつ頃浮上した?「夏前、春先ぐらいではなかったかと。その前から話はあった。『おっ、良いんじゃないの』というのが正直な感想です」
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Qなぜ女性参加になった?「今まで女性は参加していたが裏方だった。『なんで私たちが参加できないの?』となったではないかと思う」Q地元の祭りをみんなで支えたいという思いですよね?「衰退していくのが一番怖い。1人でも多くの人が参加できる祭りにしたい」
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(夏目みな美キャスター)初めて聞いたときは「あのはだか祭に女性が?」って驚いたんですが、これも時代の流れなんでしょうか?
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(大石邦彦アンカーマン)そうですね。1200年以上の歴史がある国府宮のはだか祭。大昔はわかりませんけれども、少なくともここ数十年で女性が参加することを、禁じてはいなかったそうなんです。そうした中で、女性から「神事に参加したい」という要望があって、これまで検討が行われてきた、強い反対もなかったそうです。
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取材した津田さんは、「神事には子どもたちもこれまで参加していた。女性が参加しても問題はないだろうとみんなで判断した」と話しています。伝統を守るためには、時代に合わせて変わっていくことも大切なのかもしれません。
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人口が減少して、担い手が不足して、地域の祭りや神事を守ることが難しくなっている今、歴史と伝統がある国府宮のはだか祭が大きく舵を切ったことは、他の祭りにも影響を与えそうです。