葬儀場から腐敗臭漂う約200体の遺体を撤去 「自然埋葬」をうたい常温放置

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アメリカ・コロラド州の葬儀場から腐敗臭がするとして、近隣住民が通報した。地元警察が調査すると、200体近い遺体が不適切に放置されていたという。『USA TODAY』や『CBS NEWS』が報じた。

警察に「葬儀場から腐敗臭がする」という通報があり、コロラド州当局が調査にあたった。すると冷蔵保存されずに放置されていた約200近い遺体が、施設の地下で発見されたという。
腐敗臭を放っていた遺体は、すべて建物から撤去された。2022年1月にライセンスが無効となっていた同葬儀場は、遺体の不適切な処理等の違反により、業務停止処分となっていた。

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この葬儀場は、遺体を自然に土に還すという「リターン・トゥ・ネイチャー」を提供していた。これは化学薬品処理や金属製の棺の使用、そして火葬はせず遺体を葬る方法だ。
コロラド州では自然埋葬は合法であり、化学薬品処理をしない遺体は24時間以内に冷蔵保存するよう法律で義務付けられている。しかし今回発見された200体近くの遺体は、すべて常温で放置されていたとみられている。
撤去された遺体は、DNA鑑定により身元確認が進められているという。

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同葬儀場は2017年より業務を開始しており、コロラド州に拠点を2ヶ所構えている。業務停止処分の書面によると、税金の滞納による立ちのきを迫られていたことがわかった。
また今回の騒動により、施設内で動物のはくせい作りを試みていたという事実も浮き彫りになった。コロラド州の火葬場登録局は、この葬儀場が以前より経営難に陥っていたことを把握していたという。
葬儀場の管理者は、「ライセンス切れを承知していたが、当局にバレることはないと思っていた」と証言している。

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コロラド当局は、同じ火葬場で家族を弔った4家族の死亡診断書を調査したところ、書面に矛盾点を見つけた。
4組とも事件となった火葬場を利用したことになっているが、記録された日付では、経営難による業務停止後5ヶ月は経過していたという。
遺族のうちの一人は、家族の遺灰を散骨供養したが、恐らく本人の遺灰ではないと当局は指摘する。遺族は遺灰を受け取ったものの付帯すべき識別表示や火葬証明などは提供されなかったそうだ。
当局は、散骨を模倣するために使用されるコンクリートと灰を混合したパウダーではないかと推測。当時の火葬場マネージャーも「火葬はしていなかった」と証言しているという。