「ご遺体を親族の元に帰すことができた」 トルコ災害救助に尽力 11管海保の職員2人

大地震で被災したトルコに国際緊急援助隊救助チームの一員として派遣された第11管区海上保安本部(一條正浩本部長)の職員2人が15日に帰国した。シリアを合わせた死者は4万人を超える大災害。生存者は見つけられなかったが、「ご遺体を親族の元に帰すことができた」と使命感をにじませた。(社会部・普久原茜)
派遣されたのは、石垣航空基地の仲村渠飛(たか)さん(35)=読谷村出身=と、那覇航空基地の平澤大輔さん(35)=東京都出身。17日に那覇港湾合同庁舎で本部長に報告した。
救助チームは警察庁や消防庁、海上保安庁の職員ら計73人。7日に出国し、6日間にわたって同国カフラマンマラシュで救助活動した。仲村渠さんと平澤さんは、地震で倒壊した建物のがれきを除去しながら行方不明者を捜索する任務に当たった。
2人とも被災地派遣は初めて。仲村渠さんは、日本と建物の構造が異なるなど救助の難しさを報告した。生存者を発見できなかったことに無念さを見せつつ、「自分の持っている力は発揮できた」。今回の経験を生かし、後輩たちには「迅速に救助する技術面と、被災地の方に寄り添った救助活動が大事だということを伝えていきたい」と誓った。
平澤さんは、ほとんどの建物が崩落している現場を目の当たりにし「訓練とは違う緊張感があった」と振り返った。被災地ではすれ違う現地の人から日本語で「ありがとう」と言われたり、手を胸に当てるしぐさでたくさんの人から感謝されたりしたという。「反省点も多くあるが、被災者の方々の温かい言葉や支えが力になった」と語った。
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救助活動する国際緊急援助隊救助チーム=現地時間2月12日、トルコ南部カフラマンマラシュ(JICA提供)