神戸学院大(神戸市)のアメリカンフットボール部の4年生部員が下級生の顔を殴ってけがをさせたとして、同部が活動停止をしていることが16日、大学への取材で分かった。
大学によると10月24日午後9時頃、神戸市西区の同大学第6グラウンドで全体練習後に部員数人が自主練習を行っていた際、4年生の男子部員が1年生部員の顔面を拳で殴った。1年生部員が指示されたポジションで練習することに不満を見せたことや、他の部員がハーフパンツで練習に参加している中で、1年生部員だけがスエットパンツを着用していたことに腹を立てたという。
1年生部員は口のまわりが腫れたことに加え、脳しんとうの症状があったことから2泊3日で検査入院。MRI(磁気共鳴画像装置)検査やCT(コンピューター断層撮影法)検査を受けたが、骨にひびが入ったなどの症状はなかった。1年生部員は既に退院し、授業などにも出席しているという。4年生部員は1年生部員に謝罪し、当人同士は和解済み。被害届などが提出される予定もない。
大学側は騒動発覚後、複数人の大学職員が監督、コーチ、部員らに対し、対面や電話で「普段から暴力的な体質などはなかったか」など、聞き取り調査を開始。4年生部員は無期限の活動停止処分とし、謝罪文を書かせた。大学側は「事案を重く受け止め、再発防止に努める」とした。
アメフト部は10月29日から当面の間活動を停止。所属する関西学生アメリカンフットボールリーグ2部の2試合(5日・大体大戦、18日・大経大戦)を棄権した。リーグ最終戦となる12月3日の京産大戦への出場は未定。関西学生アメフト連盟の山田恒治専務理事は「神戸学院大アメフト部から、部内でハラスメントがあったので、出場を辞退したいとの申し出が2度あった。残り試合の出場については、同部の方針に任せている」とした。