夜間に使われない公共施設を資源に-。関東を中心にキャンピングカーや自家用車で車中泊できる場所を提供するBush Camp(ブッシュキャンプ、東京)が、浦添市の浦添大公園でのサービスを12月から開始する。通常は宿泊できない展望台の駐車場に車1台のスペースを確保、「沖縄三大夜景」に選ばれた眺めや夜の公園を独り占めする特別な体験を提供する。世界遺産に登録された施設の駐車場での展開も調整を進めている。(政経部・銘苅一哲) ブッシュキャンプは東京を中心に観光や福祉送迎バスなどを運行する武州交通興業の関連会社。都内の日帰り温泉施設や山梨県のワイナリーのブドウ畑などに駐車スペースを確保するほか、キャンピングカーのレンタルも手がけている。 全国ではキャンピングカーや自家用車で車中泊する旅行の人気が高まっている。一方、現地での観光消費は少なく、「素泊まり」も多いという課題がある。 同社は夜間に使用されない公共施設などで駐車スペースを確保するだけではなく、地元の食材を使った料理や周辺観光での消費を促すことで、地域活性化につなげようと2021年にサービスを開始した。 沖縄を担当するのは県出身の牧門和輝氏と山根真理子氏。今年8月に沖縄本島中部の行楽施設でキャンピングカーを利用したモニターテストを実施。手応えを感じ、場所を探す中で浦添大公園を管理するタピックグループの沖縄文化スポーツイノベーションと10月に契約した。 料金は1泊4千円で、利用時間は午後4時から翌日午前8時まで。公園の駐車場が閉鎖される午後9時以降、利用者が夜景を「独り占め」できる。バーベキューなど火器は使用できない。持ち込みによる飲食や飲酒は可能だ。 牧門氏は「観光業が盛んな沖縄でも、素通りされる地域や、夜間に使われない施設はある。各地域の資源を活用することで、県内の観光の平準化にもつながる」と意義を強調。キャンピングカーをカーシェアできる個人や事業者との提携も検討している。 12月には1泊キャンピングカー付き1万5千円の体験イベントを開催する。サービスの詳細や体験の問い合わせ先は同社のウェブサイト(https://bushcamp.jp/)に掲載されている。(銘苅一哲撮影)「沖縄三大夜景」の浦添大公園で夜景満喫キャンプ 展望台に車中…の画像はこちら >>
浦添大公園でのサービス開始をPRするブッシュキャンプの(左から)山根真理子氏、牧門和輝氏=22日、那覇市の沖縄タイムス社