文豪作品の宝庫「すみだのまち」をオーディオガイド聴きながら巡る新感覚イベント『隅田川文学散歩』実施!東京・墨田区主催アートプロジェクト“すみゆめ”でツアー型パフォーマンス

12月3日から17日まで。“演劇の視点から創られたサイトスペシフィック”なプログラム
東京・墨田区主催のアートプロジェクト『隅田川森羅万象 墨に夢』(通称すみゆめ)で、文学作品の宝庫「すみだのまち」をオーディオガイド聴きながら巡るイベント『隅田川文学散歩』が12月3日から始まる。すみだの地域資源を活用した“演劇の視点から創られたサイトスペシフィック”なプログラムで、ツアー型のパフォーマンスとして注目されそうだ。
創作したのは「小林企画」を主宰する演出家でファシリテーターの小林遼さん(32)。墨田区北部に位置する向島地域は、関東大震災後に急速に市街化され、東京大空襲で戦禍を逃れたこともあり長屋の町として発展。一方で、住宅密集であることで災害時のリスクが高く、建物の改修や路地の拡張などで町の景観は少しずつ変わってきている。「今では長屋や木造建築が僅かとなり、あと数年で消滅するのでは」と危機感を持った小林さんが“消えゆく往時の街の歴史”を継承するためにオーディオガイド作品づくりに着手。永井荷風や北原白秋などすみだに縁のある文豪の作品の「リーディング」と「現代のすみだの都市景観」をミックスし、『隅田川文学散歩』を完成させた。作品に関連したスポットを訪ね、その場所に関するオーディオガイドを聴くことで、見なれた都市の景色に新しい感覚が持ち込まれるという。
「すみゆめ」の公式ホームページから専用サイトに登録し、web上にアップロードされた音源はスマートフォンやタブレットなどモバイル・インターネット回線があれば好きなタイミングで試聴可能。会期中の週末にはスタッフによるガイドツアーも有料で開催され、オーディオガイドを聴きながらスポットを1人で、もしくはガイドと一緒に複数のメンバーで巡ることもできる。
「すみゆめ」は、江戸時代後期の浮世絵師・葛飾北斎が90年の生涯を過ごした隅田川流域で、芸術文化に限らずあらゆる表現者がつながって地域を彩りながら盛り上げていくアートプロジェクト。2016年の「すみだ北斎美術館」開館を契機に始まり、今年で7回目。「北斎」と「隅田川」を主テーマに、すみだの地域資源を活用する多彩な企画が9月から約4か月にわたって区内各所で行われている。