猛暑で一等米比率低下の“新潟県産米”… 異常気象リスク分散など今後の高温対策を検討

夏の猛暑の影響で一等米比率を落とすなどの影響が出た今年の新潟県産米。専門家による2回目の研究会が開かれ、今後の対応などについて話し合われました。

11月28日に開かれた今年のコメに関する研究会。

コメの見た目や水分量で判断される一等米比率について、今年の県産米は10月末時点でコシヒカリが4%台と過去最低となっています。

その要因は、夏の記録的な高温にあると分析されていて、特に台風などに伴うフェーンは3回到来。

【新潟大学理学部 本田明治 教授】
「3回もイベントがあって、のべ10日程度あったかと思うが、これは(過去に)ないと思う」

この日は、気象状況を分析した上で、コメの生育の検証結果などが共有されました。

【農研機構中日本農業研究センター 石丸勉 上級研究員】
「今年の新潟県の玄米タンパク質含有率というのは、平年に比べて低くて、その結果、整粒歩合が低くなった。窒素肥料というのは、タンパク質のもとであって、高温下で玄米タンパク質含有率を適正値に維持することで、コシヒカリの白未熟粒の発生を軽減できる可能性があるのではないかと」

今後の対策としては、肥料を適切に追加するほか、稲穂にコメが実っていく登熟期をずらすように作付けを計画して、異常気象に遭うリスクを分散すること。

また、そのために取水期間の見直しを行い、遅い時期にも水を確保できるようにすることなどが挙げられました。

【令和5年産米に関する研究会 山崎将紀 座長】
「もちろん対策というのは1個ではないと思うので、組み合わせも含めて考えたい」

研究会は12月までに報告書を取りまとめる方針です。