〈忘年会シーズンに居酒屋店主が客を包丁で刺傷〉ベンツでスナックに乗り付け「このビル買っちゃおうかな~」泥酔してトイレで小便をまき散らす…営業は週に数日程度だった居酒屋店主の素顔

東京都大田区仲六郷の居酒屋「せきどん」で12月7日未明、客の男性が刃物で腹を刺されて重傷を負う事件があり、駆けつけた警視庁蒲田署員が店主の関川崇志容疑者(50)=同区東六郷=を傷害容疑の現行犯で逮捕した。刺された男性は50代とみられ、近くの病院に運ばれ手当を受けている。
忘年会シーズンとなった年の瀬に居酒屋で事件はおきた。7日午前4時50分ごろ、店内で関川容疑者が男性客の腹を刃物で刺すなどしてけがを負わせた疑い。直後に男性から「刺された」と110番通報があり、同署員が現場に急行したところ、男性が右脇腹から出血して倒れており、店内にいた関川容疑者が「口論になり、刺した」と認めたため、逮捕した。現場は京浜急行本線雑色駅の改札を出て左側に約30メートルにある、鉄骨3階建ての店舗兼アパート。「せきどん」は1階にあり、店内はカウンターとテーブル席を合わせて10席ほどの小じんまりとした居酒屋で、コロナ前に撤退した店舗に居抜きで入居したようだ。近くの飲食店の経営者(40代)が語る。
現場となった「せきどん」(撮影/集英社オンライン)
「昨日の朝、仕込みのために出勤してきたら、すでに一角を囲うように規制線が張られていました。現場にいた警察官は『ケンカがあった』と言っていて、私は後からニュースで詳細を知りました。警官は規制線の前に夕方まで立っていたので、おかげでうちの店も、お昼はお客さんの入りがかなり悪かったですよ。『せきどん』がオープンしたのは割と最近で、私もまだ食べに行ったことはなくてどんな店主かも知らないですけど、こっちはいい迷惑ですよ」別の居酒屋の経営者(40代)によれば、「せきどん」以前の店のオーナーは関川容疑者の「先輩」だったという。「前のお店がコロナ前に撤退して、2年ぐらい前に『せきどん』に変わったみたいです。前のお店はオーナーが従業員とトラブルになり撤退したんですけど、その後、近所で顔を合わせたときに『お店もうやらないんですか?』って聞いたら、『後輩には声かけてる』って言ってました。だから、関川さんは前のオーナーの後輩だと聞いています」「せきどん」は豚肉料理がウリだが、営業は週に数日程度だったという。「豚肉をメインにしたお店だったみたいで、店内にはポークソテーなんかの写真が貼られてましたね。ここ最近は連日開けてたけど、ふだんは1週間に2、3日の営業でした。個人店だし知り合いが来たらお店を開けるってスタイルだったから、営業中に店主もお酒を飲めたんでしょうね。お店もお客さんが居続ける限りは開けてるって感じだったと思います。テーブル席2、3とカウンター5席くらいの店だけど、いつ覗いてもお客さんは2~3人くらいしか入ってなかったんで、どうやってお店がまわってるのか不思議でした」(前出)
蒲田警察署(撮影/集英社オンライン)
近くの70代女性が経営するスナックには、関川容疑者も知り合いと一緒によく訪れていたという。「関川さんはコロナが明けたころに3回くらい飲みにこられました。毎回、会社をやってる60代くらいの女性と一緒で、黒塗りのベンツで乗り付けてきたこともありましたよ。関川さんはうちでは『不動産をやってるんだ』とおっしゃって、『ここのビル買っちゃおうかな』なんて豪語してました。いつもスウェットのような格好だったし本当かどうかはわからないですけどね(笑)。『せきどん』のほうは『趣味半分で、知り合いしか入れない』と言ってました。だからきっと被害者の方も顔見知りなんでしょう。3回目に来たときはベロベロに酔っ払って、トイレに小便を撒き散らされちゃって、その日はもう帰ってもらいました。うちにはそれ以来姿を見せてませんね」(70代・スナック経営者)
刺された被害者は近隣に住むタクシー運転手だった。地元でも酒好きで知られ、関川容疑者とも顔なじみだったという。関川容疑者は居酒屋店主としてだけでなく、住民としてもあまり評判はよくなかったようだ。近隣に住む女性(60代)はこう眉をひそめた。「今年の夏ごろだったかしら、ゴミ捨て場でお会いしましたけど、怖くて嫌な感じの人でしたよ。パジャマかスウェットみたいな格好で、持ってきたゴミ袋からいろんな種類のゴミが見えたんで『ゴミの分別ちゃんとしてますか?』って聞いたら『みんな分別してないだろ』ってぶっきらぼうに言うんです。私が『分別しないと回収する方も困るからお願いしますよ』って返しても『あっそ』ってゴミもそのままにして立ち去っちゃったんですよ。身長は170センチないくらいだったけど、顔は眉間にシワを寄せて、体格もよかったんで怖いし、それ以上は私も注意できなかったです。住み始めたのは去年末か今年の初めくらいだと思いますけど、近所の人からも『挨拶しても無視された』って聞いてます。感じが悪くて近づく人はいなかったと思います」
関川容疑者が住んでいたアパート(撮影/集英社オンライン)
別の近隣住民(70代)も、関川容疑者に好印象は持っていなかった。「ああ、ここに住んでる人ね…。朝の4時とか5時に、ここに停めてあるシルバーの自転車を漕いで帰ってくるんだけど、目を合わせないし、『おはようございます』と挨拶しても返してくれない。無愛想なおじさんって感じでしたね。他の人が出入りしてる姿も見たことないし、ここには一人で住んでたんじゃない」粗野でケンカっ早い居酒屋店主。取材で得られる関川容疑者の印象はそういったものばかりだった。被害男性の1日も早い快癒を祈らざるをえない。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班