冬の旬「かんべレタス」出荷始まる 甘くてシャキシャキ、「サラダやしゃぶしゃぶに」 館山・神戸地区

首都圏で人気の冬レタス「かんべレタス」の出荷が、館山市神戸地区で始まった。新鮮で甘みが強く、市場でも高い評価を受ける同レタス。生産者らは、シャキシャキした旬を味わってもらおうと、連日朝から収穫や箱詰め作業に奮闘している。
かんべレタスは、戦後の駐留米軍が「故国の料理に欠かせないレタスを作ってほしい」と農家に依頼し、栽培を指導したのが始まりとされる。現在は17軒ほどの農家が計約22ヘクタールの敷地で栽培に取り組む。
海に近く、ミネラル豊富な砂地で栽培するため、強い甘みが特徴。他の産地に比べて首都圏の消費地に近く、新鮮な状態のまま店頭に並ぶ。サラダだけでなく、しゃぶしゃぶにして食べてもおいしいという。
JA安房の野菜部会館山市清浄そ菜組合などによると、今年は10月の苗の定植以降、雨が降らない日が一時続いて成長に影響し、出荷できない状態のレタスも多かったが、現在は順調に生育。来年4月中旬までに約6万箱の出荷を目指す。
井月晃さん(45)の畑では19日、みずみずしい中玉のレタスが次々と収穫され、オレンジ色のケースに積み上げられた。同組合の片岡淳副組合長(63)は「シャキシャキして大変おいしいので、満足してもらえると思う。1人でも多くの人に買ってもらえたら」とアピールした。