【速報】羽田長距離線の給油を成田で 航空機事故受け支援 仕事始め式でNAA社長言及 「安全運用の重みかみしめ」

成田市の成田国際空港会社(NAA)で4日、仕事始め式があった。羽田空港C滑走路で日航機と海上保安庁の航空機が衝突して海保機の乗員5人が死亡した事故を受け、田村明比古社長は社員約200人を前に「日々の安全な空港運用が全ての基本・大前提。当たり前のことを忠実にこなし、万全を期していくことの重みを改めてかみしめている」と語った。また、羽田空港で欧州線など長距離路線の給油が難しくなったため、成田で給油する支援を行っていると明らかにした。
田村社長は日航機側の乗客全367人が無事に脱出したことに触れ、「日頃の訓練がいざという時に物を言うことを再確認した。航空の安全に携わる者として、日頃の仕事に対する心構えと姿勢準備の大切さを一人一人肝に銘じて業務に取り組んでほしい」と強調した。
事故発生の2日に羽田到着予定の23便(国際線14便、国内線9便)を成田空港で受け入れ、羽田では多数の欠航便が出ていることを念頭に「首都圏では十分な収容能力を有する複数の空港が機能していることが極めて重要だと現実的に示された。成田空港は必要不可欠なインフラとして機能し続けることが求められている」と語った。
田村社長は式後、報道陣の取材に応じ、事故以降、羽田から欧州へ出発する大型航空機の給油支援を成田で実施しているとも明らかにした。羽田最長のC滑走路(3360メートル)が使用できなくなったため。
羽田のC滑走路以外の3本の滑走路が短く、長時間運航に必要な大量の燃料を給油して重くなった航空機が離陸するための走行距離が足りないことが影響した。該当する航空機は羽田から成田に寄港して燃料補給した後、成田のA滑走路(4千メートル)から飛び立つ。
こうした運航は「テクニカルランディング」と呼ばれ、3日に2便、4日には少なくとも2便で実施された。羽田C滑走路の復旧は未定で、当面続く可能性がある。